鬱病患者は脳の炎症が多い

(2015年1月) "JAMA Psychiatry" に掲載された Centre for Addiction and Mental Health(カナダ)の研究により、鬱病患者は脳の炎症が通常よりも30%多いことが明らかになりました。

これまでの研究にも鬱病患者の血液中の炎症マーカーを調べたものはありますが、脳の炎症の程度を直接調べた研究は今回のものが初めてです。

研究の内容

この研究では、鬱病患者20人とコントロール・グループ(比較対照用のグループ)20人を対象に、脳のPET(陽電子放射形コンピューター断層撮影法)スキャンを行い、脳の炎症応答に関与しているミクログリア(小こう細胞)という免疫細胞の活性を計測しました。

その結果、鬱病患者のグループの脳では炎症が増加しており、さらに鬱病が最も重症の患者で炎症の程度が最高水準となっていました。

近年の研究により、気分の落ち込みや、食欲喪失、不眠などの鬱症状に炎症が関与しているというエビデンスが増加しつつあります。 体の他の部分と同じく、脳にとっても炎症は有益となることがありますが、過剰な炎症は有害となりかねません。

既存の抗鬱剤は鬱病患者の半数以下にしか効果がないため、脳の炎症をターゲットとする薬の開発が期待されます。

研究者は次のように述べています:
「鬱病は単純な疾患ではなく、その発生には複数の生物学的な変化が関与していると思われますが、脳の炎症はそのうちの1つだと思います」