うつ病者向け運動ガイド

(2013年5月)UT Southwestern Medical Center(米国)の研究チームが過去に発表された複数の研究に基づいて作成した大うつ病(以下「MDD」。 典型的な欝の症状が二週間以上にわたって安定的に続く)を治すための運動ガイドラインが " Journal of Psychiatric Practice" に掲載されています。 主な内容は次の通りです:
  • MDD 治療における運動の有効性
    MDD に対して運動が有効であることは複数の臨床試験により示されています。 運動だけでも有効ですし、薬物療法など他の治療法と組み合わせても有効です。
  • 運動療法のメリット
    運動は、コストが安くて済むうえに、誰にでも実行できる鬱病対策です。 特に既存の(薬物などの)治療法の効果が無い患者の中には、運動で欝症状が改善される人が相当数存在すると考えられます。
  • 運動の種類
    これまでに得られたデータによると、MDD には(ウェイト・トレーニングなどの無酸素運動よりも)有酸素運動のほうが効果的です。 しかし、ウェイト・トレーニングが有効であるとする研究もあります。
  • 推奨される運動の内容(有酸素運動)
    一回あたり45~60分を、週に3~5回です。 有酸素運動の場合は、心拍数が最大心拍数の50~85%となる程度の運動強度が推奨されます。
  • 推奨される運動の内容(ウェイト・トレーニング)
    ウェイト・トレーニングの場合は、限界重量の80%の重さで、上半身および下半身の様々な運動を8回×3セットずつ繰り返します。 こちらも、週に3~5回だと思います。
  • 効果が出始めるのは?
    運動をするようになってから4週間程度で欝症状の改善が感じられるはずですが、運動の効果が完全に発揮されるのは10~12週目以降です。
  • 途中で嫌になるかも...
    いったん運動療法を始めた MDD患者のうち、途中で止めてしまうのは約15%です。 この数字は、薬物療法や心理療法の場合と同程度です。
  • 続けるコツ
    好きな種類の運動をするのが続けるコツです。 上記の推奨運動量にこだわる必要はありません。 少しの運動でも気分が良くなることが、複数の研究で示されています。