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中~重度の鬱によって心不全のリスクが増加

(2014年4月) ノルウェーで開催された "EuroHeartCare 2014" で発表された研究で、中~重度の鬱の人では心不全のリスクが40%増加するという結果になりました。

研究の方法

この研究では、ノルウェーの男女6万3千人を対象に、 BMI、運動習慣、喫煙習慣、血圧などのデータを収集し、さらに "Hospital Anxiety and Depression Scale" という鬱病のチェックリストを用いて欝の程度を評価しました。 そして、国民番号を用いて、今回の研究期間における対象者の心不全による入院または死亡の記録を把握しました。

結果

研究期間である11年間のうちに心不全になったのは 1,500人。 鬱症状の見られなかったグループに比べて、軽度の鬱症状のあったグループでは5%、そして中~重度の鬱症状のあったグループでは40%それぞれ心不全のリスクが増加していました。

コメント
研究者は次のように述べています:

「鬱症状は心不全のリスクが増加する原因となります。 そして、このリスクは鬱の症状がひどいほど高くなります。

鬱の人は生活習慣が不健康になる傾向にあります。 そこで今回の分析では、肥満や喫煙など鬱と心不全療法の原因となりかねない要因を考慮しました。 したがって当研究チームでは、鬱の人で心不全のリスクが増加するという今回の結果が肥満や喫煙などの要因によるものではないと確信しています」
また、鬱によって心不全のリスクが増加する理由について次のように述べています:

「鬱になるとストレス・ホルモンが放出されます。 ストレスを感じると脈拍と呼吸が速くなりますが、これがストレス・ホルモンの作用です。 ただし、ストレス・ホルモンの作用はこれだけではなくて、炎症とアテローム性動脈硬化を誘発します。 そして、この炎症とアテローム性動脈硬化が心不全を促進すると考えられています。

他には、鬱の人(が心臓が悪くて病院に通っているケース)では、医師の指示通りに薬を飲んだり生活習慣を改善する気力が無い(ために心不全のリスクが増加している)という可能性も考えられます」
鬱の初期症状は、物事への興味を失う、以前は楽しかったことが楽しくなくなるなどです。 このような状態が1ヶ月ほど続くようなら病院に行くと良いでしょう。 初期の鬱は治療が容易で、投薬が不要なケースも少なくありません。