(2018年9月) "Psychological Medicine" 誌に掲載されたユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの研究で、男性に限り、鬱症状と全身的な炎症の両方が生じていると心血管疾患(心臓病や脳卒中)などで死亡するリスクが増加するという結果になりました。
鬱症状と炎症はいずれも、心血管疾患や死亡のリスク要因として知られます。
研究の方法
英国に住む52~89才の男女 5,328人を対象に、炎症マーカーの1つであるCRPの血中濃度と鬱症状の程度を調べたのち、平均7.7年間にわたり生存状況を追跡調査しました。
結果
CRP血中濃度が3~20mg/Lと高いうえに抑鬱症状も見られた男性は、(CRP血中濃度が低く抑鬱症状が見られない男性に比べて)総死亡リスクが2.4倍および心血管疾患で死亡するリスクが3.89倍でした。- CRP血中濃度が高いだけの男性では、この数字は1.49倍と2.43倍でした。
- 抑鬱症状が見られるだけの男性では、死亡リスクは増加していませんでした。
- 女性では抑鬱症状やCRP血中濃度や死亡リスクとの間に関係が見られませんでした。