メタボ×抑鬱で糖尿病のリスクが跳ね上がる

(2016年4月) "Molecular Psychiatry" 誌に掲載されたマギル大学(カナダ)などの研究によると、メタボリック・シンドローム(以下「メタボ」)により増加する2型糖尿病発症のリスクが抑鬱によりさらに悪化する可能性があります。

抑鬱と糖尿病の関係を示す研究はこれまでにも存在しますが、今回の研究では抑鬱がメタボによる糖尿病リスクの増加に拍車をかけることが示されました。

研究者は次のように述べています:
「抑鬱それ自体ではなく、抑鬱と行動的およびメタボリック的なリスク要因とが組み合わさったときに2型糖尿病と心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが増加するのだと思われます」
研究の方法
カナダに在住の40~69才の男女 2,525人を次の4つのグループに分けて、4年半にわたって糖尿病の発症リスクを比較しました:
  1. メタボの(米国の方の)条件を満たしており、かつ抑鬱も抱えているグループ(メタボ&抑鬱)。
  2. メタボの条件を満たしているが、抑鬱は無いというグループ(メタボのみ)。
  3. メタボの条件は満たしていないが、抑鬱を抱えているグループ(抑鬱のみ)。
  4. メタボでも抑鬱でもないグループ。
結果
メタボも抑鬱もない4のグループを基準としたときの他のグループの糖尿病発症リスクは次のようなものでした:
  • メタボ&抑鬱のグループ: 糖尿病発症リスクが6倍超に増加していた。
  • メタボのみのグループ: 糖尿病発症リスクが4倍に増加していた。
  • 抑鬱のみのグループ: 糖尿病発症リスクは増えていなかった。
解説
抑鬱 ⇒ メタボ
抑鬱の種類にもよりますが(*)、抑鬱が体の代謝系に変化を引き起こしてメタボの原因になるということもあります。 また、抗鬱剤の中には体重増加を招くものが存在します。
(*) メタボを引き起こさないタイプの抑鬱も存在します。
抑鬱 ⇔ メタボ
抑鬱に苦しむ人はメタボ対策として医師が出す指示(*)を守れないことが多いというデータが存在します。 そして医師の指示を守らないためにメタボの症状が悪化すると、抑鬱の症状が悪化することがあります。
(*) 薬の服用・禁煙・運動・食生活の改善など。
研究者は次のように述べています:
「抑鬱だけを治療してもメタボの原因となる生活習慣などを放置していると、抑鬱が再発する恐れがあります」