鬱(うつ)が細胞レベルで老化の原因に

"Molecular Psychiatry" 誌(2013年11月)に掲載されたオランダの研究によると、鬱によって加齢が促進されます。 鬱症状を経験した人では、そうでない人に比べて、テロメアの塩基対が平均で83~84組ほども少なかったのです。

ヒトにおいては、毎年14~20組の塩基対が自然に失われてゆくため、83~84組という減少量は4~6年分の老化に相当します。

この研究では鬱症状が有る人と無い人 2,400人以上のテロメアを比較しました。 上記の結果は、過度の飲酒や喫煙など DNA にダメージを与える生活習慣上の要因を考慮したうえでのものです。

今回の研究は、鬱によってテロメアが短くなるという因果関係を証明するものではないため、鬱によってテロメアが短くなるのではなく、逆に、テロメアが短いと鬱になりやすいという可能性も考えられますが、研究者によると、その可能性は考えにくく、鬱症状が細胞レベルにまで痕跡が残るダメージの原因となっているのだと思われます。

鬱症状は、ホルモン系に影響を与える、免疫機能を抑制する、神経の働きに影響するなど、肉体を様々に撹乱(かくらん)します。 鬱の病歴がある人では、心臓疾患や、2型糖尿病、認知症、ガンなど加齢が原因となる病気のリスクも増加します。

過去に行われた同様の研究では不明瞭な結果となっていましたが、今回の研究はデータに含まれる人数が過去の研究よりも多いため、今回の結果の方が有力です。

テロメアの長さは、健康的な食事や、運動習慣、ストレス解消などによって回復することが出来ると考えられています。 参考記事: 生活習慣の改善によりテロメアの長さを回復して老化を停止