鬱の予防には柑橘系のフルーツ?

(2018年4月) "Molecules" 誌に掲載されたカターニア大学などの研究で、一部のポリフェノールの摂取量が多い人には鬱症状が少ないという結果となっています。

研究の方法

イタリア南部に住む18~92才(平均47才)の男女 1,572人を対象にアンケート調査を実施して、食生活や鬱症状の有無を調べました。

結果

509人に鬱症状が見られました。 ポリフェノール類全体と鬱症状の有無との間には関係が見られませんでした。

種類別では

ポリフェノール類の種類別に分析すると、一部のポリフェノール類で「摂取量が多いと鬱症状のリスク(オッズ比)が低い」という関係が見られました:
  • フェノール酸(*)-36%
  • フラバノン(†)-46%
  • アントシアニン(‡)-39%

上記は、摂取量が最大のグループと最少のグループとを比較した数字です。 フラバノンとアントシアニンに関しては、摂取量が多いほど鬱症状のリスクが低いという関係も見られました。

(*) ヒドロキシケイ皮酸やヒドロキシ安息香酸など。 ヒドロキシケイ皮酸は、コーヒー・りんご・ハーブ類(タイム/セージ/スペアミントなど)など植物性の食品に含有されている。 コーヒーの成分であるコーヒー酸やクロロゲン酸もヒドロキシケイ皮酸の一種。 ヒドロキシ安息香酸は、いちご・ラズベリー・ブラックベリー・黒大根・玉ねぎなどに含有されている。

(†) グレープフルーツやミカンなどの柑橘系果実に豊富。

(‡) ブルーベリーなどのベリー類・赤ワイン・色の濃いブドウ・赤色や青色の野菜などに含まれている。

さらに細かい分類で

ポリフェノール類をさらに細かく分類して分析したところ、フラボノールの一種であるケルセチンとフラバノンの一種であるナリンゲニン(*)の摂取量が多いと鬱症状のリスクが低いという結果でした。

摂取量が最大のグループと最少のグループとの比較で摂取量が最大のグループは、ケルセチンでは47%およびナリンゲニンでは49%のリスク低下でした。
(*) 柑橘系の果物なかでもグレープフルーツに豊富に含まれるフラボノイドの一種。 抗酸化・抗炎症作用があり心臓病・脳卒中・肥満・糖尿病を予防する効果が期待されているが、薬の効果に干渉する(薬の効き目が薄れたり強くなり過ぎたり、薬の成分が発ガン性を帯びたりする)恐れもある。

ポリフェノール含有食品

ポリフェノール類を豊富に含有する食品と鬱症状リスクとの関係を調べたところ、柑橘系果実ワインについてのみ摂取量と鬱症状リスクとの間に関係が見られました。

摂取量が最大のグループと最少のグループとの比較で摂取量が最大のグループは、柑橘系果実では49%およびワインでは47%のリスク低下でした。