膝の関節炎に砂糖水の注射が有効かも

(2013年5月) "Annals of Family Medicine" に掲載されたウィスコンシン大学の研究によると、変形性関節症(骨関節炎)による膝の痛みや強張り(こわばり)の軽減に砂糖水の注射が有効かもしれません。

この治療法は、ブドウ糖注射療法(dextrose prolotherapy)と呼ばれ、75年前から用いられてきましたが、未だ代替療法であるとみなされています。 ブドウ糖注射療法が作用するメカニズムが明確にわかっていないため医学界に受け入れられないのです。 しかし、研究グループによると、この治療法は軽~中程度の膝の変形性関節症のうちオーソドックスな治療法があまり効かないものに対して、安全で適切であると考えられます。

研究の方法

今回の研究では、膝の変形性関節症の患者90人を3つのグループに分けて、砂糖水の注射、食塩水の注射、または家で運動をしてもらい、1年間にわたって経過を観察しました。 砂糖水または食塩水の注射は、1週目、5週目、および9週目、そして必要な場合には13週目と17週目にも行われました。

結果

1年後に、膝の痛みの軽減度および機能の回復度をテストしたところ、砂糖水注射のグループが軽減度と回復度の両方において他の2グループよりも良い結果でした。

膝機能のスコアは、砂糖水グループが16点だったのに対して、食塩水グループは5点、運動グループは7点でした。 膝の痛みのスコアでも、砂糖水グループが一番良好でした。

砂糖水グループの患者に副作用を訴える人はいませんでした。

専門家のコメント
しかし、一方で、ブドウ糖注射療法を認めない専門家も存在します。 ニューヨークの整形外科医は、次のように嫌悪感を露にしています:
「膝の関節に砂糖を注射して変形性関節症に効果があるわけがない。 変形性関節症は炎症プロセスだよ。 砂糖と炎症のあいだに関係があるということが理解できない。 今回の結果はプラシーボ効果によるものだね。 そうに決まってる。 仮に私が膝に何かを注射するなら砂糖水なんて死んでも嫌だ。もっと正統的な、そうコルチゾンがいいね。 アレはいい。 オレならコルチゾンを注射する」

膝の関節炎の場合、この医師の(つまり多分、正統派の)治療法は、運動と抗炎症剤そして場合によりコルチゾンの注射です。

ブドウ糖注射療法は保険が効かないので、米国の場合一回の注射で200ドル、あるいはそれ以上かかります。 地域や医師による価格差も大きいです。 今回の研究では3~5回の注射でしたが、研究者によると、もっと長期間続けることもできます。