オメガ3脂肪酸が口腔ガンと皮膚ガンに効く

(2013年8月) "Carcinogenesis" 誌に掲載された英国の研究によると、オメガ3脂肪酸の一種である長鎖オメガ3脂肪酸(以下「オメガ3脂肪酸」)に、皮膚ガンと口腔ガンを抑制する効果があります。 これらの腫瘍の成長を阻止し、ガン性組織を破壊するというのです。

長鎖オメガ3不飽和脂肪酸とはサーモンなどの魚に含有されている DHA や EPA のことで、ヒトの体内でも生産されますが、生産量がわずかであるため、食事などから補う必要があります。

研究グループは生体外実験を行って、健康な組織を傷つけない用量のオメガ3脂肪酸によって、ガン細胞および前ガン性の細胞に、細胞死が生じることを確認しました。 今回の研究により、オメガ3脂肪酸を皮膚ガンと口腔ガンの予防や治療に利用することが期待できます。

研究者は次のように述べています:
「皮膚も口も(内臓と違って)アクセスが容易なので、必要とする用量をスプレーやジェルなどの形態で患部に局所的に送り届けることができそうです。 ただし、治療目的で使用する場合に、オメガ3脂肪酸をどの程度用いれば良いかは、まだわかっていません」
実験の内容

今回の研究では、、扁平上皮ガンというガンの細胞を用いた実験を行いました。 「扁平上皮細胞」は皮膚の主要な構成要素であり、口・消化器官・肺などの表面にも存在しています。 口腔に発生する扁平上皮ガンは患者数が6番目に多く、治療が難しいガンです。

実験では、口と皮膚の扁平上皮の①健康な細胞、②前ガン状態の(ガンになりそうな)細胞、および③ガン細胞を培養して、それらを各種の脂肪酸で処置しました。 その結果、オメガ3脂肪酸がガン細胞と前ガン状態の細胞の成長を選択的に阻害したのです。 しかも、成長を阻害するのに必要となる用量は、普通の健康な細胞には影響が無い程度の量で済みました。

研究グループによると、ガン細胞および前ガン性の細胞の成長が阻害されるのは部分的には、上皮成長因子(EGF)という細胞死を引き起こす因子が過剰に刺激されるためです。