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DHAやEPAの鬱病への効果は未だ不明

(2016年3月) "*BMJ Open*" に掲載されたブリストル大学(英国)などのシステマティック・レビュー(コクラン・レビュー)によると、オメガ3脂肪酸が鬱病の治療に有効か否かを判断するには未だデータが十分ではありません。出典: ω-3 Fatty acids for major depressive disorder in adults

レビューの方法

成人を被験者としてオメガ3脂肪酸の鬱病への効果を調べた20の臨床試験(試験に基づき行われた研究の数は26)のデータを分析しました。

結果
プラシーボと比較した研究
26の研究のうち25(被験者数合計 1,373人)は、オメガ3脂肪酸とプラシーボとで効果を比較しました。 これらの研究の結果を総合的に判断すると、オメガ3脂肪酸は鬱病に対して少~中程度の効果があるように見受けられましたが、臨床的に意味があると言えるほどではなさそうでした。 加えて、これらの研究のデータは総じて非常に品質が低い(*)ものでした。

(*) "Very low quality"。 研究者が「現実にその通りであるはずだ」という自信を持って提示できないデータ。 本当の数値とはかけはなれている可能性があり、今後の研究でまったく逆の結果が示される可能性が高い。

データの品質のランクは上から順に "High Quality"、"Moderate Quality"、"Low Quality" と来て、"Very low quality" は最低のランク。
副作用

副作用についても調べた19の研究(1,207人)では、オメガ3脂肪酸のグループとプラシーボのグループとで副作用が生じた人の数が同程度だという結果でしたが、こちらに関してもデータの品質は「非常に低い」でした。

抗鬱剤と比較した研究

26の研究のうちオメガ3脂肪酸の効果を抗鬱剤と比較したのは1つ(被験者数40人)だけで、この研究では抗鬱剤とオメガ3脂肪酸とで鬱病への効果に差はないという結果でした。 この研究もデータの品質が「非常に低い」でした。

結論
現時点において、オメガ3脂肪酸の鬱病への効果を判断するにはデータが不足しています。 信頼性の高い臨床試験を複数行ってオメガ3脂肪酸が鬱病に有効かどうかを確認する必要があります。