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糖尿病の合併症予防にビタミンC や E は逆効果

(2014年6月) "74th Scientific Sessions of the American Diabetes Association" で行われたプレゼンテーションによると、糖尿病患者において抗酸化物質(ビタミンC とビタミンE)は腎臓疾患などの合併症を予防する役に立たないどころか逆効果となる可能性があります。

研究者は次のように述べています:

「長らくのあいだ、糖尿病の合併症の根底には酸化ストレスがあり、その酸化ストレスがミトコンドリアによる超酸化物(過酸化物。 病原菌退治に有用だが人体組織にも有害)生産と、フリーラジカルによるタンパク質および DNA の損傷によって促進するのだと考えられてきました。

しかし、これまでに行われた複数の臨床試験では抗酸化物質によるアプローチの有益性は示されておらず、それどころか抗酸化物質によって死亡率が増加するという結果になったものもあります」

「最近では、メタボロミクス(細胞内代謝を網羅的に解析する手法と研究領域)的な臨床研究を含む複数の研究により、糖尿病の合併症で問題となる体組織におけるミトコンドリアの活性が余剰カロリーに反応して減少し、この活性の減少が常態化することによって炎症誘発性あるいは線維症誘発性のサイトカインが放出され、臓器が機能不全を起こすのだと考えられるようになっています。

さらに、運動や、カロリー制限、薬物によってミトコンドリアの機能とミトコンドリアによる超酸化物生産を回復(*)するというアプローチが組織の治癒に有効である可能性も示唆されています」
(*) 「ミトコンドリアによる超酸化物生産を回復」とあるのは、従来は悪者とされてきた超酸化物が有用なものであると考えられるようになっているため。 研究者は、ミトコンドリアが生産した超酸化物による有益な効果を「ミトコンドリア・ホルメシス」と名付けました。 「ホルメシス」とは「毒物の有害量以下での生物への有益な刺激」という意味です。
ヒトを対象に行われた別の複数の研究でも、運動前にビタミンC と E を服用していると、運動によるインスリン抵抗性改善の効果が損なわれることが示されています。
「ミトコンドリアが生産する超酸化物は、AMPK(AMPキナーゼ)と呼ばれる総エネルギー・センサーを刺激することによって有益な効果をもたらしている可能性があります。 AMPK は活性化することによって、炎症と繊維症を抑制すると考えられます」