糖尿病の投薬はリスクとベネフィットのバランスが大事。高齢者では特に

(2014年7月) "JAMA Internal Medicine" に掲載された University of Michigan Health System などの研究によると、2型糖尿病の患者、特に50才を超える層では、糖尿病治療薬の効果が乏しいわりに、副作用(体重増加など)や負担(コストやインスリン注射頻度の増加など)は大きいという人が少なくないと思われます。

現行のガイドラインでは血糖値が一定の目標値に達するまで(薬による)治療を増強することが推奨されています。

しかし今回の結果により、糖尿病の薬を新たに開始するかどうかを判断する際の判断材料として、血糖値目標のウェイトを減らし、副作用や患者の負担のウェイトを増やすべきであることが示唆されます。

研究者は次のように述べています:

「血糖値コントロールの目的は、腎臓・眼・心臓などに生じる合併症を予防することにあります。 血糖値をどの程度積極的にコントロールするかの判断においては、合併症のリスクと患者の負担とのバランスを考える必要があります。

合併症のリスクがかなり低い一方で、低血糖の症状が出る、体重が増加する、あるいはインスリン注射を頻繁に必要とするのが負担になるという患者の場合には、糖尿病の薬が有益である以上に患者の生活の質(QOL)を損なっていると考えられます。

多くの糖尿病患者では、そこそこの血糖値を達成できたならば、薬でそれ以上血糖値を下げることに固執しても、患者にとってのベネフィットはあまり増加せず、コスト・患者の負担・副作用のリスクばかりが増えてゆきます」


今回の研究では、(薬による)治療のベネフィットは年齢が上がるに従い減ってゆき、75才の時点では大部分の治療においてベネフィットよりも有害性が上回っていました。

ただし今回の研究では、血糖値が非常に高く(A1c 検査で判定)、血糖値を積極的にコントロールする必要がある患者(2型糖尿病患者の15~20%にあたる)は除外しています(調査対象となったデータから除外したということでしょう)。