血縁者に2型糖尿病の人がいると運動で得られる効果が少ない

(2015年10月) "Journal of Applied Physiology" に掲載されたルンド大学の研究によると、2型糖尿病になるリスクが遺伝的に高い人は運動の効果が出にくいために平均以上に運動をする必要があります。

研究の方法

この研究では、40才代で僅かに肥満だけれども健康であるという男性50人を被験者とする試験を行いました。 50人のうちの半数は2型糖尿病の家族歴がある男性でした。

この50人に7ヶ月間にわたって運動習慣(有酸素運動)を続けてもらい、7ヶ月間の前後に検査を行いました。 検査の内容は、健康診断・耐糖能の測定(*)・筋生検(†)でした。

(*) 血中のブドウ糖を細胞が吸収する能力を把握するため。

(†) 遺伝子を調べるため。

運動はフィットネス・クラブで週に3回行うことが推奨されました(最低でも3回は行うように指示されたのでしょう)。また、運動中には運動強度と運動による消費エネルギーを測定しました。

結果

2型糖尿病の家族歴があるグループとないグループとで運動の激しさは同程度でしたが、家族歴があるグループの方が運動量が多かったために消費エネルギーも多くなっていました。

どちらのグループでも運動習慣によって、体重が減って(平均で1.2kg)ウエストが細く(平均で3cm)なり心肺能力も向上しました。 遺伝子発現(*)の状況も改善していました。 しかし研究者によると、糖尿病の家族歴があるグループは同じ効果を得るのに、家族歴がないグループよりも多くの運動量が必要でした(消費エネルギーが61%多かった)(†)

(*) 遺伝子の設計図に基づいて体内で特定のタンパク質が作られること。(参考記事: 運動によって肥満体質が治る?

(†) プレスリリースを読む限りでは、家族歴のあるグループが運動量を増やすことを指示されたわけではなく、このグループで運動量が自ずと増えたという感じでしたが、もしかすると体重や心肺機能などに関して一定の目標値が定められて、それを達成するように運動量のほうを調整したのかもしれません。

トレーニングの回数に関してアブストラクトには「両グループの平均で運動期間中にトレーニングを39回行った」とのみあります(論文本体は有料なので見れませんでした)。