2型糖尿病に関してありがちな認識の誤り

(2015年7月) ディーキン大学(オーストラリア)のスペイト教授が、2型糖尿病に関して患者本人と周囲の人たちありがちな誤解について解説してくれています。

2型糖尿病の人は自業自得?

そんなことはありません。 糖尿病のリスク要因には個人の努力でどうにかなるものもありますが、そうでないものもあります。 体重・運動量・食生活・血圧・喫煙習慣などの糖尿病リスク要因については努力次第でどうにかできますが、家族歴・年齢・人種などのリスク要因はどうにもならないのです。

2型糖尿病になったからといって自分を責めたり恥じたり後悔したりするよりも、前向きになって糖尿病の症状コントロールに集中しましょう。

糖尿病は失明や手足切断などの主因?

失明・手足切断・心臓発作・腎臓病などの糖尿病合併症が生じるのは、症状コントロールがお粗末である場合です。 しっかりとコントロールがなされている糖尿病は何の主因にもなりません。 合併症は血糖値を適切に維持したり定期的に健康診断を受けることによって防いだり、場合によっては改善することができます。

インスリン投与が不要な糖尿病は軽度?

インスリンを使用しているか否かに関わらず、あらゆる糖尿病は深刻で、コントロールが不十分であれば合併症の危険があります。 インスリンは治療法の1つに過ぎません。 重要なのは血糖値が適正な水準に保たれていることであり、そのための方法が生活習慣の改善・投薬・インスリンのいずれであるかは問題ではありません。

インスリンが必要となったのは症状コントロールに失敗したから?

そのように考えてインスリンの使用開始を遅延する患者が少なくありませんが、医師がインスリンの使用が必要だと考えるのであれば、それは血糖値をコントロールするうえでインスリンが最適の方法だからというだけのことで、患者にいたらない点があったからというわけではありません。

したがって、インスリンが必要だとされるのであれば速やかに使用を開始するべきです。 インスリンは血糖値を下げて合併症を予防するにはとても効果的です。

糖尿病と上手く付き合っていけないのは自分がダメな人間だから?

糖尿病を抱えて生きてゆくのは大変なことです。 毎日毎日24時間糖尿病が常に付きまとうのですから。 したがって、平静を失うことがあるのも当然です。 糖尿病患者の多くが自分の今後や合併症のことを考えて不安になったり、糖尿病のコントロールに失敗したときに罪悪感と不安感を感じるというデータがあります。

2型糖尿病患者のうちインスリンを使用している人では1/3が、インスリンを使用していない人でも1/4が中~重度の抑鬱を経験します。 糖尿病のために抑鬱が生じた場合には医師に相談しましょう。