糖尿病の母親は母乳育児をしない傾向がある

(2014年5月) "Public Health Nutrition" に掲載された米国の研究で、妊娠前または妊娠中に糖尿病と診断された母親には①母乳育児をしない傾向と②母乳育児をしても短期間になる傾向が見られるという結果になりました。

研究の方法

この研究では7万3千人近くの女性のデータを分析しました。 このうち妊娠前に糖尿病と診断されていたのは1.7%、妊娠中に糖尿病(妊娠糖尿病)と診断されたのは8.8%でした。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 妊娠糖尿病のグループでは、母乳育児の開始時期は糖尿病の無いグループと変わらなかった。 ただし母乳育児を継続する期間は短く、2ヶ月間以上にわたって母乳育児を続ける率が糖尿病の無いグループよりも低かった。
  • 妊娠前から糖尿病だったグループでは、母乳育児の開始時期も継続期間も一般的な母親の水準に達していなかった。 母乳育児の継続期間に関しては、妊娠糖尿病のグループと同程度だった。
  • 母乳育児を行わない理由として妊娠前から糖尿病だったグループが挙げた理由のうち最も多かったのは、糖尿病それ自体または糖尿病の薬の服用だった。 それ以外の理由は糖尿病の無いグループの母乳育児をしない母親と同じで、「母乳育児をしたくない」あるいは「母乳の量が十分でない」などだった。

これらの結果は、母親の年齢・収入・人種など母乳育児の開始時期や継続期間に影響する要因を考慮した上でのものです。

コメント
研究者は次のように述べています:
「糖尿病の女性から生まれた子供は出産直後に低血糖になりやすいだけでなく、将来的に肥満や2型糖尿病になったりするリスクが増加しますが、母乳で育てることによって、この将来のリスクが緩和される可能性があります」
糖尿病女性の授乳について
Diabetes UK によると:
  • 母乳育児には血糖値を25%下げる効果があります。 血糖が乳糖という形で母乳を介して体外に出て行くためです。 血糖が出すぎて低血糖になることもあるので注意が必要です。 授乳中にはデンプン質を含む食べ物を毎日40~50g食べるとよろしい。 食べる量を増やしても授乳のおかげで、体重が増える心配は無いと考えられます。
  • メトホルミンやグリベンクラミドなどの糖尿病の薬を飲んでいても授乳できるケースが大部分です(ただし医師に相談してから)。