糖尿病による心臓発作などのリスク増加は運動で緩和できる

(2013年11月) これまでの複数の研究で、2型糖尿病の患者では心臓発作や脳卒中などの心血管疾患のリスクが増加することが明らかにされており、中には糖尿病によって心血管疾患のリスクが5倍に増加するという結果になった研究もありますが、"European Journal of Preventive Cardiology" に掲載されたスェーデンの研究によると、このリスクは日常的な運動によって緩和できると考えられます。

運動は、糖尿病ではない人においても心血管疾患のリスクを減らす効果があります。 2007年に発表された米国の研究によると、中強度の運動であれば週に30分×5回以上、高強度の運動であれば週に20分×3回以上を続けることで、心血管疾患による死亡のリスクを30%ほど減らせます。

今回の研究によると、2型糖尿病患者においても平均的な人と同様に、心血管疾患による死亡のリスクと運動時間の長さおよび運動の頻度とが反比例の関係にあります。

この研究では、15,462人(平均年齢60才)を5年間(または亡くなるまで)追跡調査しました。 15,462人のうち、6,963人が「運動量が少ない」で、8499人が「運動量が多い」人でした。

「運動量が少ない」グループに分類されたのは、1週間あたりの運動量が30分×1~2回、あるいは全く運動をしない人たちでした。 一方、「運動量が多い」グループに分類されたのは、週に3回以上(一回の運動時間はたぶん30分)運動している人たちでした。

運動量が少ない人では、運動量が多い人に比べて、冠状動脈(心臓の動脈)や心血管のイベント(心臓発作や脳卒中の発作など)のリスクが25%、そして致命的な心血管イベントが70%増加していました。 これらの数字は、年齢や性別、糖尿病であった期間、血糖降下治療(hypoglycaemic treatment)、喫煙といった要因を考慮しても統計的に有意でした。

また、5年間の研究期間の途中から運動量を増やした場合でも、5年間のあいだずっと運動量が少ない場合よりは、心血管疾患のリスクが減少していました。 つまり、運動習慣を始めるのに遅すぎることはないというわけです。