食生活による2型糖尿病の予防を突き詰めるとメディテラネアン・ダイエットに至る

(2018年7月) モナシュ大学(オーストラリア)のマーリン・トーマス教授が食生活による2型糖尿病の予防についてまとめたものが同大学のプレスリリースとして発表されています。 出典: Type 2 diabetes: is it what you eat, or how much?

プレスリリースの概要

2型糖尿病の予防において身体活動の習慣と同様に効果的なのがカロリー摂取量の低減であることは明白ですが、肥満や2型糖尿病のリスクに関して食品のカロリー含有量だけが重要なのではありません。

食物繊維

例えば、食物繊維が豊富な食事をしている人は2型糖尿病のリスクがいというデータがあります。 食物繊維により2型糖尿病のリスクが低下するとして、その理由には次の3つが考えられます:
  1. 食物繊維のおかげで糖質が体に吸収されるペースが鈍化する。
  2. 食物繊維が満腹感をもたらす。
  3. 食物繊維が腸内細菌に作用(して何らかの良い効果を発揮)する

糖質のタイプ

糖質のタイプによる違いも重要です。 糖質には吸収が速いものと遅いものがあり、吸収が速いタイプの糖質はインスリンの生産に余計な負担をかけます。 そういう理由で、糖尿病の予防やコントロールに低グリセミックの製品や糖類代替物が推奨されることがあったり、糖類が使用された清涼飲料水や菓子類が敵視されたりするわけです。

特定の食品

近年の研究では、特定の食品と2型糖尿病になるリスクとの間に関係のあることが示されています(ただしメカニズムは未だ不明):
  1. 赤身肉や加工肉(ソーセージ、ハム、ベーコン、コーンビーフなど)をよく食べる人は2型糖尿病になりやすい。
  2. 無脂肪の乳製品・コーヒー(デカフでもOK)・ナッツ類・青葉の野菜をよく食べる人は2型糖尿病になりにくい。

個々の食品ではなく食生活全般

こうした食品はいずれも、完全に単独的に2型糖尿病のリスクに影響するわけではありません。 いろいろな食品を食べる豊かな食生活であれば個々の食品の有益な効果が増幅され、同じような食品ばかりを食べる貧弱な食生活であれば食品の有害性が強まると考えられます。

理想形はメディテラネアン・ダイエット?

2型糖尿病のリスクは次のような食品を中心とする食生活を続けている場合に最低となります:
  • 最低限の加工のみがなされた植物性製品(たぶん全粒粉で作った自家製のパンやパスタなど)をよく食べる。
  • 食事脂肪は主にオリーブ油で摂る。
  • 発酵乳製品(ヨーグルトやチーズ)を適度に食べる。
  • 動物性タンパク質は主に魚と鶏肉で摂り、赤身肉はあまり食べない。

上記のような食生活は、メディテラネアン・ダイエット(地中海地方の食生活)と呼ばれます。

単に脂肪摂取量を減らしただけの食生活よりもメディテラネアン・ダイエットのほうが2型糖尿病になるリスクが40%も低いというデータも存在します。