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高血圧で脳が損傷を受け、糖尿病で思考・記憶力が損なわれる

(2014年3月) "Neurology" 誌オンライン版に掲載された Mayo Clinic の研究で、中年(40~64才)のときに糖尿病または高血圧を発症した人は、これらを発症しなかった人あるいは高齢(65才以上)になってから発症した人に比べて、①脳細胞の喪失などの脳の損傷と、②記憶・思考力の障害が起こりやすいという結果になりました。

この研究では、平均年齢80才の男女 1,437人の軽度認知障害(MCI)と呼ばれる思考力と記憶力の障害の有無を調査しました。 (研究開始の時点で)この人たちの中に思考力や記憶力に障害のある人はいませんでした。 さらに、脳のスキャンで認知症の兆候となる脳の損傷を調べました。

そして、これらの結果を、参加者たちの医療記録から入手した糖尿病や高血圧の病歴と照らし合わせたところ次のような結果になりました:

  • 中年のときに糖尿病を発症した人では、糖尿病ではない人に比べて、脳の容積が平均で2.9%小さくなっていた。 特に、海馬(記憶や学習に関与する脳の器官)の容積は4%も小さくなっていた。 さらに、思考・記憶力の障害が出る率も2倍になっていた。

  • 中年のときに高血圧になった人では、高血圧ではない人に比べて、脳に損傷している領域が存在する率が2倍になっていた。
糖尿病を中年のときに発症した人は72人、高齢になってから発症した人は142人でした。 また、高血圧を中年のときに発症した人は449人、高齢になってから発症した人は369人でした。

研究者は次のように述べています:

「糖尿病については高齢になってからの発症であっても脳の損傷率との間に相関関係が見られましたが、高血圧に関してはこういうことはありませんでした。

今回の結果を全体的に見ると、糖尿病と高血圧が数十年かけて脳にダメージを与え、記憶力や思考力に悪影響を与えると考えられます。 特に糖尿病は、高齢になってからの発症であっても脳に悪影響があります」