(2017年10月)シャヒード・ベヘシュティー医科学大学(イラン)の研究チームが糖尿病や高血圧を患っている場合と患っていない場合とで死亡リスクなどを比較した結果が "Scientific Reports" 誌に掲載されています。
研究の方法
イラン在住で心血管疾患(心臓病や脳卒中)の病歴がない50才以上の男女 2,747人(1,436人が女性)を対象に、14年間ほどにわたり心血管疾患の発症状況や生存状況を追跡調査しました。
そして、当初の健康状態に応じて次の4つのグループに分けて、心血管疾患になるリスクや死亡リスクを比較しました:- 高血圧でも糖尿病でもないグループ(HTN-/DM-)
- 高血圧だが糖尿病ではないグループ(HTN+/DM-)
- 糖尿病だが高血圧ではないグループ(HTN-/DM+)
- 高血圧と糖尿病の両方を患っているグループ(HTN+/DM+)
結果
HTN+/DM-のグループに比べて、他のグループでは次のように各リスクが増減していました:
冠動脈疾患になるリスク
- HTN-/DM-: -39%
- HTN-/DM+: 有意差なし
- HTN+/DM+: +96%
脳卒中になるリスク
- HTN-/DM-: -56%(女性に限ると有意差なし)
- HTN-/DM+: 有意差なし
- HTN+/DM+: +66%(女性に限ると有意差なし)
心血管疾患で死亡するリスク
- HTN-/DM-: -66%
- HTN-/DM+: 有意差なし
- HTN+/DM+: +160%
総死亡リスク
- HTN-/DM-: -43%(女性に限ると有意差なし)
- HTN-/DM+: +62%(女性に限ると有意差なし)
- HTN+/DM+: +132%