最高血圧が140mmHg未満の2型糖尿病患者には降圧剤が有害?

(2016年2月) 糖尿病患者は高血圧で心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが高いことが多いために、糖尿病ではない人に比べて高血圧の治療を念入りに行うことを勧められるケースが少なくありませんが、"*The BMJ*" に掲載されたウメオ大学のシステマティック・レビューによると、血圧がそう高くない2型糖尿病患者に降圧剤は不要かもしれません。出典: dx.doi.org/10.1136/bmj.i717

研究の概要

糖尿病患者に対する降圧剤の効果を調べた発表済みおよび未発表の研究のデータを調査したところ、降圧剤の効果は降圧剤を投与する前の時点での糖尿病患者の血圧により異なっていました。

収縮期(最高)血圧が140mmHgよりも高い場合には死亡・脳卒中・心臓発作・心不全のリスクが低下していましたが、140mmHgよりも低い場合には心血管疾患による死亡率が増加していたのです。

今回のレビューに用いられたデータはほぼ全てが2型糖尿病患者のものだったので、1型糖尿病患者の場合にどうであるかは不明です。

コメント
研究者は次のように述べています:

「今後数年間のうちに高血圧治療に関するガイドラインの多くは変更される見込みで、糖尿病患者の血圧目標値を現在よりも低い130mmHgにしようという議論もなされていますが、そのような議論において今回の結果も考慮してもらいたいものです」

「それはそれとして、高血圧治療の過剰よりも不足の方が問題であることには留意が必要です。 血圧が140mmHgを超える大部分の糖尿病患者においては、降圧剤の服用がとても大切です」