2型糖尿病患者は炎症が多いと認知能力が下がりやすい?

(2015年7月) "Neurology" 誌オンライン版に掲載されたハーバード大学の研究で、2型糖尿病患者は2年間のうちにも脳の血流を制御する能力が衰えるという結果になりました。 そして、この能力の衰えが認知機能の低下につながっている可能性があります。出典: Study Shows Long-Term Effects of Type 2 Diabetes on the Brain, Thinking

研究者は次のように述べています:
「脳は血流の正常な制御により特定の作業を行うときに活発化する脳領域に血液を配分しています。 2型糖尿病の人では血流の制御が損なわれています。 今回の結果から、糖尿病と高血糖が認知機能および判断力に慢性的な悪影響を及ぼすと思われます」
研究の方法

この研究では平均年齢66才の人たち40人を被験者としました。 40人のうち19人が2型糖尿病患者で、糖尿病の治療歴は平均13年でした。

40人全員を対象に、①認知能力(思考力・記憶力・学習能力)のテスト、②脳のMRIスキャンによる脳の容積および血流の検査、および③血液検査(血糖値と炎症の程度を調べる)を行い、2年後に再び①~③の検査を行いました。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 2回の検査結果の比較において、糖尿病患者のグループでは脳の血流を制御する能力が低下し、記憶力・思考力のテストの一部で成績が悪化していた。
  • 2型糖尿病のグループでは脳の血流を制御する能力が2年間のうちに65%落ちていた。
  • 2型糖尿病ではないグループでは学習能力と記憶力の成績が2年間で落ちていなかった(2回のテストのいずれでも55点だった)のに対して、2型糖尿病患者のグループでは46点から41点へと12%落ちていた。
  • 1回目の検査の時点で脳の血流制御能力が悪かった人の方が、日常生活(入浴や料理など)を滞りなく行う能力の衰え方が激しかった。
  • 炎症の程度が高かった人では、糖尿病と血糖値のコントロールが十分になされていても血流制御能力が大きく衰えていた。