母乳不足に糖尿病が関与

(2014年5月) "Cincinnati Children's" という NPO 医療法人が糖尿病と母乳の関係に関する2つの研究を発表しています。

1つ目の研究

"Pediatric Academic Societies" の会合で発表された Cincinnati Children's Hospital Medical Center の研究(のちに "Breastfeeding Medicine" 誌に掲載)によると、妊娠糖尿病だった女性では母乳不足になるリスクが増加すると考えられます。

この研究で母乳不足で悩む女性のグループと母乳不足ではない女性のグループとで妊娠糖尿病の罹患率を比較したところ、母乳不足ではない女性(*)のグループでは妊娠糖尿病の罹患率が6%だったのに対して、母乳不足で悩む女性のグループでは妊娠糖尿病の罹患率が15%だったのです。
(*) 子供が乳を吸わないという問題で同病院を訪れた女性たち。
2つ目の研究
1つ目の研究にも関与している Cincinnati Children's Perinatal Institute の研究者が "Experimental Biology" の会合で発表した研究によると、母乳の量には出産後の代謝状態が関与しています。 すなわち、妊娠糖尿病でなかった女性でも、次の4点が糖尿病前症とみなされるような水準にある場合には、母乳だけで育てるには母乳の量が足りなくなるおそれがあります:
  1. BMI の高さ
  2. 空腹時インスリン値の高さ
  3. インスリン抵抗性
  4. 空腹時血糖値の高さ
上記4つのうち一番影響が大きいのは、空腹時血糖値の高さです。
補足
研究者は、糖尿病前症の母親たちに2型糖尿病の治療薬であるメトホルミンを用いて、乳腺におけるインスリンの作用を改善することで母乳生産量を増やせないかと考えています。