糖尿病の男性はテストステロンが不足しているとアテローム性動脈硬化のリスクが増加

(2014年10月) "Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism" に掲載された Hospital Universitario Sanatorio Guemes(アルゼンチン)の研究によると、テストステロン(男性ホルモン)の量が少ない2型糖尿病の男性は、テストステロンが不足していない糖尿病の男性に比べて、アテローム性動脈硬化になるリスクが増加すると考えられます。
アテローム性動脈硬化
アテローム性動脈硬化は、動脈の血管壁に脂肪やコレステロールなどから成るプラークが蓄積することで起こります。 アテローム性動脈硬化になると、血管を通る血流の量が制限されるほか、プラークが破裂して血栓を引き起こすことがあります。

これまでに複数の研究でテストステロン補充療法により心血管合併症のリスクが増加することが指摘されており、Endocrine Society(内分泌学会)では現在、テストステロン補充療法を性腺機能不全症の症状が出ていて、テストステロンが恒常的に不足している男性だけに限って行うことを推奨しています。

研究の方法

2型糖尿病患者の男性115人(70才未満で心血管疾患の病歴は無い)を対象に、テストステロンの血中量とアテローム性動脈硬化のマーカー(頚動脈内膜の内膜中膜・アテローム性動脈硬化のプラークの有無・血管の内皮細胞・炎症マーカーなど)を調べました。

結果

115人の半数超がテストステロン不足で、テストステロン不足の男性ではテストステロン量が正常な男性に比べて、頚動脈内膜中膜の肥厚化と内皮の機能不全が生じている率が6倍に増加していました。

115人のうち血管病のリスクが高かったのが、テストステロン量が正常なグループでは10%だったのに対して、テストステロン不足のグループでは54%でした。

留意点
今回の研究だけでは、テストステロン不足が直接的にアテローム性動脈硬化のリスクが増加する原因になっているのか、それともテストステロン不足が単に他の進行疾患の指標であるに過ぎないのかまでは不明です。