2型糖尿病のコントロールに地中海地方の食事が有効

(2015年8月) "*BMJ Open*" に掲載されたナポリ第2大学(イタリア)のシステマティック・レビューによると、2型糖尿病のコントロールにメディテラネアン・ダイエットが有効だと思われます。
Katherine Esposito, Maria Ida Maiorino, Giuseppe Bellastella, Paolo Chiodini, Demosthenes Panagiotakos, Dario Giugliano. A journey into a Mediterranean diet and type 2 diabetes: a systematic review with meta-analyses. BMJ Open 2015;5:e008222 doi:10.1136/bmjopen-2015-008222 (Licensed under CC BY 4.0)
レビューの方法

メディテラネアン・ダイエットが2型糖尿病または糖尿病前症に及ぼす影響を調べた 2,824の研究群の中から、一定の基準を満たす8つのメタ分析と5つのランダム化比較試験(RCT)を選出し、これらのデータを調査しました。

結果
血糖コントロール

3つの長期的(6ヶ月超)なRCTのメタ分析では、メディテラネアン・ダイエットの方が糖尿病患者の血糖コントロールに有効だという結果になりました。

低脂肪・低炭水化物・低グリセミック・高タンパクなどに偏った食事でも糖尿病患者の HbA1c 値は改善されていましたが、メディテラネアン・ダイエットほどではないように見受けられました。

コレステロール

5つのメタ分析のデータを分析したところ、体重・総コレステロール・HDLコレステロールに関して、他の食事療法よりもメディテラネアン・ダイエットの方が有益であるという結果になりました。

糖尿病予防

2つのメタ分析のデータを分析したところ、食生活の内容がメディテラネアン・ダイエットに近い人では糖尿病のリスクが19~23%下がるという結果でした。

メタボリック・シンドロームの寛解

メディテラネアン・ダイエットとメタボリック・シンドローム(糖尿病の前段階とみなされ得る)の関係を調べた長期的なRCTも2つあり、これらのRCTのメタ分析では、メディテラネアン・ダイエットによりメタボリック・シンドロームの寛解率が49%増加するという結果になりました。

結論

今回の結果から、メディテラネアン・ダイエットは2型糖尿病の全般的なコントロールに適していると思われます。

考えられる理由
メディテラネアン・ダイエットは抗炎症効果と抗酸化効果により、糖尿病の対策として有効となっている可能性があります:
  • メディテラネアン・ダイエットでは食物繊維・ビタミン類・ミネラル類・抗酸化物質・ポリフェノール類など抗炎症・抗酸化効果を持つ栄養素を豊富に含む食品が使われます。
  • その一方で、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸・精製された糖類(*)やデンプン質(†)・カロリーの高い食品など炎症を助長する食品があまり使われません。

(*) 白砂糖やブドウ糖果糖液糖のことでしょう。

(†) 全粒穀物ではないグリセミック指数が高い穀物のことでしょうか?
この考えを裏付ける材料として次の2つが挙げられます:
  • 2013年のメタ分析でインターロイキン6(IL-6)とC反応性タンパク質(CRP)という2種類の炎症マーカー(炎症の程度を示す血中の物質)と糖尿病リスクとが対応関係にあることが示されている。
  • メディテラネアン・ダイエットによりIL-6やCRPなどの炎症誘発性サイトカインの血中濃度が低下することが臨床試験やメタ分析で確認されている。