糖尿病と診断されたら膵臓ガンにも注意が必要

(2014年3月) "Annals of Surgical Oncology" に掲載されたメルボルン大学のレビュー(過去の複数の研究の結果を分析したもの)によると、少なくとも一部の患者では糖尿病によって膵臓ガンのリスクが増加していると考えられます。

このレビューで 1973~2013年に発表された88の研究のデータを数学者の協力を得て分析したところ、糖尿病と膵臓ガンの間に時間依存性の関係が見られたのです。

研究者は次のように述べています:

「今回の研究では、膵臓ガンになるリスクが、糖尿病と診断された後に最大となり、その後も引き続き高い水準に留まることが明らかになりました。 糖尿病による膵臓ガンのリスク増加は中程度です。

2型糖尿病患者の体内で生じる化学的変化が膵臓の細胞の成長を促進し、膵臓ガンの発症の原因となる損傷の原因になるのだと考えられます。 1型糖尿病も(膵臓ガン)のリスク要因になりますが、2型糖尿病ほどではありません」

また、糖尿病が先か膵臓ガンが先かという問題に関しては、「どちらが先である可能性もある」と述べています。

膵臓ガンになるリスクの増加率は、糖尿病と診断されてから1年以内に7倍、期間全体では2倍でしたが、診断から10年後では1.36倍にまで減っていました。

研究者は、膵臓ガンになる人の数がそもそも少ないので大部分の糖尿病患者は心配する必要は無いとしながらも、糖尿病患者を対象に膵臓ガンの検診を実施することを提案しています。

「膵臓ガンの検診はまず、新たに糖尿病を発症したばかりの患者に対して優先的に実施すべきでしょう。 その後、以前からの糖尿病患者にも検診の対象を広げてゆくことが考えられます。

糖尿病の新規発症は55才から増加します。 新たに糖尿病と診断された患者全員に対して膵臓ガンの検診を行うことが重要だと思われます。 特に、糖尿病の顕著なリスク要因がなかったのに糖尿病になった人では検診の必要性が増します」