閲覧以外で当サイトのコンテンツを利用する場合には必ず引用・転載・ネタ探しをするときのルールに目を通してください。

糖尿病のリスク要因

2型糖尿病を発症する原因はまだ完全には解明されていませんが、2型糖尿病を発症するリスクを増加させる要因は明らかになっています:
  • 体重: 2型糖尿病の一番のリスク要因として挙げられるのが「太り過ぎ」です。 体に占める脂肪組織の割合が多いほど、体の細胞にインスリンが効き難くなります。
  • 脂肪の場所: お尻や太ももに付く脂肪よりも、お腹の脂肪が2型糖尿病のリスク要因となります。
  • 炎症: 炎症が糖尿病の発症に関わっているのではないかと考えられています。
  • 痛風: "Annals of the Rheumatic Diseases"(2014年)に掲載された研究で、痛風も糖尿病のリスク要因であるという結果になっています。 痛風による糖尿病リスクの増加は女性で顕著で71%。 男性では22%でした。 痛風による慢性的な炎症が糖尿病の発症を促進している可能性が考えられます。
  • 運動不足: 運動量が少ないほど2型糖尿病のリスクが増加します。 運動には、①体重を減らす効果と、②ブドウ糖をエネルギーとして使用して細胞のインスリン感受性を高める効果があります。 ただし、体質的に2型糖尿病になりやすい人は、運動による糖尿病リスク減少の効果があまりないという結果になった研究もあります。
  • ストレス: ストレスが続く場合に分泌されるホルモンの中にはインスリンの作用を妨げるものがあります。 仕事のストレスや長時間の単純労働などのストレスも2型糖尿病のリスク要因になると思われます。 2型糖尿病患者ではストレスによる影響が通常よりも増加するという研究もあります。
  • PTSD: PTSDの女性では糖尿病のリスクが2倍近くに増加するという結果になった研究があります。
  • 睡眠不足: 睡眠不足や睡眠リズムの乱れによってインスリン抵抗性や炎症が増加するという研究があります。
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA): 糖尿病は閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA) のリスク要因であるとされていますが、"American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine"(2014年6月)に掲載された研究によると、逆にOSAが2型糖尿病のリスク要因であるという関係も存在するかもしれません。 この研究で、軽度~中程度のOSA患者では糖尿病を発症するリスクが23%増加していたのです。
  • 人種: 黒人、ヒスパニック、ネイティブ・アメリカンは白人よりも2型糖尿病になりやすいというデータがあります。 最近の研究によると遺伝子が原因のようです。
  • 家族歴: 2型糖尿病には遺伝的な要因もあります。 両親や兄弟に2型糖尿病の人がいる場合には、本人が2型糖尿病になるリスクも増加します。
  • 年齢: 2型糖尿病になるリスクは加齢によって増加してゆきます。 特に45才以降でリスクが高くなっていますが、これは45才を過ぎると顕著に運動量が減少し、それによって筋肉量が減少する一方で体重が増加するためだと考えられます。 ただし、子供や若者でも2型糖尿病になることはあります。

    加齢によって甘味を感じる味蕾が減少すること、そして味蕾が少ない人は血糖値が高い傾向にあることを示す研究もあります。
  • 糖尿病前症: 糖尿病前症とは、糖尿病と診断されるほどではないが血糖値が正常の範囲よりも高くなるという状態のことで、耐糖能障害(IGT)や空腹時血糖異常(IFG)のある人、あるいはこれら両方を抱えている人が糖尿病前症とみなされます。

    糖尿病前症のリスク要因は糖尿病と同じで腹部脂肪・家族暦・運動不足・年齢・妊娠糖尿病などです。 妊娠糖尿病を患った人は60%の確立で糖尿病前症になります。

    糖尿病前症を放置しているとかなりの確率で2型糖尿病へと進行しますが、糖尿病前症の時点では症状が無いのが普通です。 したがって45才を超えたら(妊娠糖尿病を患った人は特に)病院で糖尿病前症の検査を受けてみるとよいでしょう。

    "Diabetologia" 誌(2014年)に掲載されたメタ分析では、糖尿病前症の人でもガンのリスクが15%増加するという結果になっています。
  • 妊娠糖尿病: 妊娠中に妊娠糖尿病になったことのある女性は、のちに2型糖尿病になるリスクが増加します。 出生時の体重が4キロ以上の子供を生んだ場合にも、2型糖尿病のリスクが増加します。

    "JAMA Internal Medicine" (2014年5月)に掲載された研究によると、妊娠糖尿病だった女性は、運動時間を増やすことによって糖尿病を発症するリスクを減らせると考えられます。 150分/週以上の中強度運動または75分/週以上の高強度運動を継続したグループでは2型糖尿病のリスクが47%減るという結果でした。 逆に、テレビを観ている時間が長いと2型糖尿病のリスクが増加していました。
  • スタチン: 糖尿病患者全員が服用することを推奨されているコレステロール低下薬のスタチンですが、そのスタチンで糖尿病の発症リスクが増加するという研究や、そのリスク増加をコエンザイムQ10で予防できるとする研究があります。