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糖尿病の治療

糖尿病の治療では、血糖値を正常値に近いレベルに維持して、合併症の発症を防止あるいは遅らせることを目的とします。

食生活の改善
世間的な認識とは裏腹に、糖尿病用の療法食というものは存在しません。 食生活の改善点は次の通りです:
  • 野菜・果物・全粒穀物を用いて繊維質を豊富に含む低脂肪の食事を心がける。
  • 獣肉や、精製穀物(白米など)、甘いものを控える。
  • 血糖値を安定させるため、一回分の食事の量および食事に含まれる炭水化物・タンパク質・脂質の割合が毎食で同じとなるように心がける。
  • グリセミック指数の低い食品が望ましい。 一般的に、繊維質の多い食品ほどグリセミック指数が低くなります。
運動習慣

ウォーキング、水泳、自転車など何でも良いので、自分が楽しめる運動をしましょう。 運動量の目安は、1回30分以上の有酸素運動(筋トレに対して、呼吸が激しくなるジョギングなどの運動)を週に5回以上です。 筋トレやストレッチなどの運動も有益です。 運動習慣を開始する前には医師に相談し、最初は軽い運動から始めましょう。

運動には血糖値を下げる効果があるため、血糖値を下げる薬を服用している場合には、血糖値が下がりすぎてしまう恐れがあります。 運動の前に血糖値を測定して、必要であれば運動前に軽食を摂っておくと良いでしょう。

2型糖尿病患者は食事や薬の服用などにより糖尿病をコントロールするうえで要求される自己管理能力が低いという話がありますが、その自己管理能力の養成にも運動が有益です。

代替療法

クロムという金属元素やシナモンによってインスリン感受性が改善することを示す研究が複数ありますが、これらが血糖値や A1C値のコントロールに有効ではないという結果になった研究も複数あります。 このように結果が一致していないため、クロムもシナモンも現時点では糖尿病を抑制する手段として推奨されていません。

妊娠中の糖尿病治療

2型糖尿病の女性は、妊娠中には糖尿病の治療を変更することがあります。 妊娠中には大部分の降圧剤やコレステロール低下薬を使うことができませんし、メトホルミンにしても胎児に有害だというエビデンスはありませんが、妊娠中の安全性も確実には確認されていません。 糖尿病の薬を使わない場合には、インスリン療法に切り替えます。

また、糖尿病性の網膜症(網膜の疾患で失明を引き起こすこともある)の兆候がある場合、妊娠中に悪化する恐れがあるため、妊娠12週目以内および出産後1年以内に眼科医の診察を受けましょう。

薬物療法

2型糖尿病患者の中には、食事の改善と運動習慣だけで血糖値をコントロールできる人もいますが、薬を必要とする人も少なくありません。 糖尿病用には様々な薬がありますが、どの薬を用いるかは血糖値や健康状態によって異なります。 複数の薬を併用することもあります。

一般的に、糖尿病と診断された後にはメトホルミン(製品名はメトグルコやグリコランなど)がとりあえず処方されます。 メトホルミンは、体組織のインスリン感受性(インスリン抵抗性の逆)を改善して肝臓におけるブドウ糖の生産量を減少させる作用のある薬です。 メトホルミンは、ダイエットや運動との併用が効果的です。

メトホルミンだけでは血糖値を十分に抑えられないときには、他の内服薬や注射薬を併用します。 これらの薬はいずれも血糖値を低下させますが、その方法が異なります。 下記はその例です:
  • グリピジド、グリブリド、グリメピリド - 膵臓に働きかけてインスリンの生産量と分泌量を増加させる
  • アカルボース - 腸で炭水化物を分解する酵素の作用を阻害する
  • メトホルミン、ピオグリタゾン - 体組織のインスリンに対する感受性を高める

医師と相談して、各種糖尿病薬の費用、健康状態、メリット/デメリットを考慮したうえで、自分にぴったりの薬を見つけましょう。

糖尿病患者には糖尿病の薬以外にも、低用量のアスピリンや、血圧降下剤、コレステロール低下薬などが処方されることがありますが、それは心臓や血管の病気を予防するためです。

インスリン療法

場合によってはインスリン療法も必要となります。 インスリンは口から服用すると消化によって効果が阻害されるため、注射する必要があります。

インスリンには即効性のものや持続性のものなど様々な種類があり、状況に応じて複数の種類のインスリンを併用したりもします。

肥満外科手術

2型糖尿病患者のBMI が35を超えている場合には、肥満外科手術を選択肢として考慮します。 肥満外科手術によって血糖値が正常範囲に戻る確率は、手術のタイプによって55~95%です。

肥満外科手術の中では、胃バイパス手術(食べた物が腸の一部を迂回して体内を通過するようにする手術)が血糖値コントロールに効果的で、胃バイパス手術によって2型糖尿病が治るケースも報告されています。

ただし肥満外科手術は費用が高いうえに、わずかですが死亡するリスクもあります。 また、手術後には生活習慣を大きく変えることになりますし、栄養失調や骨粗鬆症になるリスクもあります。