2型糖尿病患者は肥満しているほうが死亡リスクが低い

(2016年11月) "Diabetologia" 誌に掲載されたレスター大学(英国)の研究で、2型糖尿病患者は肥満しているほうが死亡リスク(死因は問わない)が低いという結果になりました。 出典: Nonlinear association of BMI with all-cause and cardiovascular mortality in type 2 diabetes mellitus...

概要

40万人超のデータを調べたメタ分析で2型糖尿病患者のBMIと死亡率の関係を調べたところ、両者の関係を示すグラフが直線的とはならず、ある程度肥満している場合に死亡率が最も低くなっていました。

BMIの数値が、男性では31~35のとき、女性では28~31のときに死亡リスクが最も低くなっていました。

BMIの値が大きい(太っている)場合の死亡率増加は女性でのみ明確でしたが、BMIの値が小さい(痩せている)場合には男女共に死亡率が高くなっていました。
BMIと死亡リスクのグラフ
縦軸が死亡リスクで、横軸がBMI(右に行くほど太ってる)。 bが男性で cが女性。 aは男女トータル。
解説
このような結果になった理由として、研究チームは次の4つを推測しています:
  1. サルコペニック肥満(筋肉減少性肥満)- サルコペニック肥満の人は筋肉が少ないので、同じ体重でも脂肪が多い。 サルコペニック肥満の人は心血管疾患などで死亡するリスクのほか、転倒するリスクも高い。
  2. 逆相関 - BMIが低い人の死亡リスクが高いのではなく、死亡リスクが高い人のBMIが低い。 糖尿病以外の疾患などが原因で食欲が落ちたり、カロリー消費量が増加したりしている人が死亡しやすいという可能性。
  3. 遺伝子 - 太っていない人が2型糖尿病になるリスクを増加させる遺伝子変異体というものが存在するが、そのような遺伝子変異体のうちTCF7L2およびCDKAL1を保有している人ではガンのリスクが増加するというデータがある。(ただし研究チームは、この説を根拠とするには信頼できるデータが十分でないとしている)
  4. 太っている(BMIが高い)人のほうが、糖尿病のコントロールを含めた健康管理が十分に行われる。