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カロリーオンの糖類ではなくカロリーオフの人工甘味料で脳卒中とアルツハイマー病のリスクが増加

(2017年4月) "Stroke" 誌に掲載されたボストン大学の研究によると、糖類が使われた清涼飲料水より人工甘味料が使われた清涼飲料水(以下「ダイエット・ソーダ」)のほうが脳への悪影響が大きい恐れがあります。

これまでの研究にもダイエット・ソーダで脳卒中のリスクが増えることを示すものはありますが、ダイエット・ソーダで認知症のリスクが増えるという研究は今回のものが初めてです。

研究の方法
米国に住む4千人超の男女を対象に、清涼飲料水の飲用について調査(*)したのち10年間にわたり追跡調査したデータを用いて、清涼飲料水の飲用量と脳卒中や認知症(†)になるリスクとの関係を調べました。

(*) 飲用量を尋ねるアンケートを7年間のうちに3回行った。

(†) 脳卒中の調査対象となったのは、4千人超のうちの 2,690人(45才超、平均年齢62才、55%が女性)。 認知症の調査対象となったのは、4千人超のうちの 1,395人(60才超、平均年齢69才、54%が女性)

データの分析においては、年齢・性別・教育水準(認知症の分析に限る)・カロリー摂取量・食生活・身体活動量・喫煙習慣を考慮しました。

結果

追跡期間中に97件の脳卒中(虚血性は82件)と81件の認知症(アルツハイマー病は63件)が発生しました。

糖類が使われた清涼飲料水を飲む量が多くても、脳卒中のリスクも認知症のリスクも増加していませんでした。

ところが驚いたことにダイエットソーダに関しては、ダイエット・ソーダを飲む習慣が無い場合に比べてダイエット・ソーダを毎日1本以上飲むという場合に、虚血性脳卒中(血管が詰まるタイプの脳卒中)のリスクとアルツハイマー病のリスクがどちらも3倍近く(*)増加していました。 認知症全体のリスクも2.5倍に増加していました。
(*) 心臓や血管の病気の有無・糖尿病の有無・血圧・血中脂質・アルツハイマー病の遺伝子的なリスク・腹部肥満まで考慮した分析では、虚血性脳卒中のリスクは2.6倍となり、アルツハイマー病のリスクは統計学的な有意性が失われた。
留意点

糖尿病の人に認知症が多いこと、そして糖尿病の人が糖類の摂取量を減らそうとしてダイエット・ソーダを飲むケースが多いことが知られていますが、今回の研究では追跡期間中に糖尿病を発症した人の存在を考慮できていません。

さらに、今回の研究ではダイエット・ソーダ以外で摂取する人工甘味料の量も計算に入れていませんし、人工甘味料の種類も区別しませんでした。