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食事 ⇒ 腸内細菌 ⇒ 短鎖脂肪酸 ⇒ 遺伝子のエピジェネティックな変化

(2016年11月) "Molecular Cell" に掲載されたウィスコンシン大学マディソン校の研究により、腸内細菌が作り出す代謝物が宿主の遺伝子にエピジェネティック(後成的)な変化(*)を引き起こすことが明らかになりました。
(*) 食事や環境などの後天的な要因が遺伝子に影響して遺伝子発現のパターンが変わること。 「遺伝子の発現」とは、遺伝子の設計図に基づいて体内で特定のタンパク質が作られること。

今回の結果から、食生活&腸内細菌がエピジェネティックな変化を介して、腸だけにとどまらず体の様々な場所に影響を及ぼすと考えられます。

研究の概要
食事 ⇒ 腸内細菌
食物繊維を含有する通常のエサを与えたマウスと欧米型の食事(*)を模したエサを与えたマウスとでは、腸内細菌の種類構成が異なりました。 ヒトやマウスなどの宿主が消化できない食物繊維を好んでエサとする腸内細菌がいるためだと考えられます。
(*) 複合炭水化物と食物繊維が少なく脂肪分と単純炭水化物が多い食事。
腸内細菌 ⇒ 短鎖脂肪酸
そして、欧米型のエサを与えられたマウスは通常のエサを与えられたマウスに比べて、腸内細菌が食物繊維を発酵させて作り出す短鎖脂肪酸(SCFA)(*)の量が少なくなっていました。
(*) 酢酸塩・プロピオン酸塩・酪酸塩。 SCFAは、血圧・食欲・腸の健康などに影響して炎症性疾患・糖尿病・心臓病などのリスクを引き下げてくれるのではないかと期待されています。
短鎖脂肪酸 ⇒ エピジェネティックな変化
マウスの組織を調べたところ、食べたエサの種類によってヒストンのアセチル化とメチル化の状況に幅広い違いが見られました。 このエピジェネティックな変化を引き起こしているのがSCFAであることを確認するために、腸内細菌を持たない無菌マウス(*)に上記の3種類のSCFAを摂取させてみたところ、通常のエサを食べさせたマウス(†)に見られたのと同じエピジェネティックな変化が見られました。

(*) エサは欧米型?

(†) 食物繊維などから腸内細菌によりSCFAを供給されている。
ヒトの場合はどうか?

ヒトの体内に住む腸内細菌もSCFAを作り出しますし、人体に有益な作用を及ぼすと考えられています。

しかし研究者は、SCFAそのものをサプリメントなどで摂ることには否定的です。 野菜や果物には食物繊維以外にポリフェノール類など様々な成分が含まれており、これらの中にも腸内細菌のエサとなるものがあります。

そして、未だ研究が進んでいないものの、食物繊維以外の成分から腸内細菌が作り出す代謝物の中にもSCFAと同様に健康にとって有益となるものが存在する可能性があります。
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