食生活がテロメアの長さに及ぼす影響に関する過去2年分の研究のまとめ (レビュー)

(2018年8月) カルロス3世健康研究所の研究グループが、食生活がテロメアの長さに及ぼす影響を調べた最近(過去2年間)の研究をまとめたレビューを "Current Opinion in Clinical Nutrition and Metabolic Care" 誌に発表しています。
Tania-Marisa Freitas-Simoes; Emilio Ros; Aleix Sala-Vila. "Telomere length as a biomarker of accelerated aging: is it influenced by dietary intake?"

テロメアとは

テロメアとは、染色体の両端にあって染色体同士が癒着したり変質したり(ガンの原因になる)しないように保護している部分のことです。 染色体が靴紐であるとすれば、テロメアは靴紐の先端のキャップに該当します。

テロメアは細胞が分裂するたびに(つまり老化により)短くなってゆきます。 そして、テロメアが失われた染色体は不安定になります。 通常はテロメアが一定以下の長さになった時点で細胞が破壊されますが、このような破壊を免れた細胞はガン化します。

テロメアと健康

細胞が分裂するたびに短くなっていくというテロメアの性質のために、テロメアは肉体の老化度を知るための指標として用いられます。

また、ガン・心臓病・脳卒中・認知症・肥満・骨粗鬆症・感染症・糖尿病・高血圧・抑鬱などの病気を抱えている人はテロメアが短いというデータがあります。 テロメアが短いとこうした病気のリスクが増加するのかもしれませんし、こうした病気によってテロメアが短くなるのかもしれません。

テロメアが短くなる生活習慣

喫煙・肥満・劣悪な食事・過度の飲酒・心理的ストレス・大気汚染・酸化ストレス・慢性炎症によってテロメアが短くなるペースが速まることが複数の研究で示されています。 テロメアが短くなりやすい体質(遺伝子のタイプ)というものもあります。

レビューの概要

  1. 糖類が使われた飲料の摂取量が多いとテロメアが短いことが再確認された。
  2. コーヒー飲用量とテロメアの長さとの関係(たぶん「飲用量が多いとテロメアが長い」という関係)が新たに判明した。
  3. 肉類の摂取量とテロメアの長さとの関係については、これまでに行われた研究のあいだで結果が一致していない。
  4. 大体において、抗酸化物質を豊富に含む植物性食品の摂取量を増やすとテロメアの長さの維持に役立つと思われる。
  5. ただし、こうした研究の大部分は疫学的な研究で、クロス・セクショナル研究(信頼度が低い)であることも少なくなかった。 ランダム化比較試験を今後いくつも行って、食生活がテロメアの長さに及ぼす影響を確認する必要がある。