脂肪(食用油)の種類は心臓疾患のリスクに影響しない?

(2014年6月) "Annals of Internal Medicine" に掲載されたケンブリッジ大学のレビュー(80近くの研究、データ人数5千万超を調査)によると、心臓疾患のリスクは脂肪の種類に影響されません。

すなわち、これまで不健康だとされてきた飽和脂肪(脂身や乳製品に多く含まれている脂肪)によって心臓疾患のリスクは増加せず、逆にオメガ3脂肪酸のように健康的だとされている不飽和脂肪酸で心臓疾患のリスクが下がることも無いというのです。

研究者は次のように述べています:
「懸念すべきは飽和脂肪の摂り過ぎではなく、炭水化物や砂糖の摂り過ぎです。 炭水化物や砂糖には、動脈を詰まらせる分子(particles)が飽和脂肪や不飽和脂肪以上に多く含まれています」
2013年のレポート
飽和脂肪に関しては 2013年にも、英国の医師が "British Medical Journal" 誌に「飽和脂肪の摂取と心血管リスクのあいだに関係は無い」という主旨のレポートを発表しています:
「近年の複数の前向きコーホート研究(例えば喫煙者と非喫煙者などのように、研究の対象となる点においてのみ性質が異なる複数のグループを追跡調査する研究)では、飽和脂肪の摂取と心血管リスクのあいだに有意な関係は認められていない。 それどころか、飽和脂肪酸が(心血管の)健康にとって有益であるという結果が出ている」

この英国の医師によると、飽和脂肪が悪者扱いされ始めたのは 1970年に "The Seven Countries Study" という研究が発表されて以来のことです。 この研究は、複数の国のデータに基づいて食事・生活習慣・心臓疾患の関係を調べた研究としては初めてのもので、飽和脂肪とトランス脂肪の摂取により死亡率が増加するという結論になっています。 オリーブオイルをふんだんに用いる地中海式の食事(メディテラネアン・ダイエット)が健康に有益だとしたのも、この研究が初めてです。

専門家のコメント
今回のレビューの結果に関して、タフツ大学の研究者は次のように述べています:

「これらの研究(今回のレビューと2013年のレポート)により直ちに、(飽和脂肪酸が多く含まれる)バターやチーズを好きなだけ食べても良いということにはなりません」

「過去数年間に発表されたガイドラインでは、総摂取カロリーに占める脂肪の割合は30%まで、飽和脂肪は10%未満までとされています。参考記事: 食事脂肪のガイドライン 新たなガイドラインが作成されるまでは、この基準に従うのが良いでしょう」