飽和脂肪酸が血流を介して脳に入り込み抑鬱を引き起こす?(マウス実験)

(2019年5月) これまでの研究で肥満者に抑鬱の多いことや肥満者には抗うつ剤が効き難いことが示されていますが、"Translational Psychiatry" 誌に掲載されたグラスゴー大学などの研究(マウス実験)で、飽和脂肪酸が血流を介して脳へと入り込んで脳に蓄積し、抑鬱に関与する脳のシグナルに影響することが明らかになりました。出典: Dietary fats entering the brain may explain link between obesity and depression

研究の概要

マウスを遺伝子操作や食生活で肥満させたところ、どちらの場合にも抑鬱が生じました。 この現象の原因は、cAMP/PKA シグナル伝達経路の途絶でした。

また、マウスに脂肪分が多い(飽和/不飽和脂肪酸が含有カロリーの60%を占める)食事を与えると、視床下部(抑鬱に関与する脳領域)に脂肪酸が(大量に)流入し、そうした脂肪酸が抑鬱の発生を担う PKA シグナル伝達経路に直接的に影響していました。

この結果から、高脂肪の食事による飽和脂肪酸の流入が cAMP/PKA シグナル伝達プロセスに変更を加え、そのために抑鬱が生じるのだと考えられます。

コメント

研究者は次のように述べています:

「脂肪分が多い食べ物は美味しいので(一時的には)心が慰められます。 しかし、そういう食べ物は長期的には気分にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いでしょう。 気分が低調になるたびに高脂肪の食べ物で心を慰めていると、気分がネガティブな状態で安定してしまいかねません」

「高脂肪食品をあまり食べないようにするのは健康に色々な面で有益ですが、気分を上向かせるという店でも高脂肪食品をなるべく控えるのが良いかもしれません」
研究者は、脳に入り込みやすい飽和脂肪酸の一例としてパルミチン酸に言及しています。