食物繊維に備わるコレステロールなどへの健康効果(レビュー)

(2019年5月) ニューヨーク市立大学の研究者が食物繊維の血中脂質などの健康への効果についてまとめたレビューを "Nutrients" 誌に発表しています。

レビューの要旨

レビューの "Abstract" の部分に相当します。
  1. 食物繊維の摂取量が多い人は心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが低いことが、これまでに複数の観察研究で示されている。
  2. 食物繊維は炭水化物のうちヒトが消化できないタイプのものである(消化できるものは「糖質」と呼ばれる)。
  3. 食物繊維は植物の成分であり、水に溶けるか否かによって水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分類される。
  4. 水溶性食物繊維に分類されるのは例えばペクチンやフルクタン、一部の難消化性デンプンなどで、果物・野菜・オーツ麦・大麦に含まれている。 水溶性食物繊維はコレステロール値を下げる効果が期待できる。
  5. 不溶性食物繊維に分類されるのはリグニンやセルロース、ヘミセルロースなどで、全粒穀物・ブラン(ふすま)・ナッツ類・種子類に豊富に含まれる。 不溶性食物繊維は胃から速やかに出て行くため、食べた物が腸を通過するのに要する時間を短縮したり糞便のボリュームを増やしたりすることによって、規則正しいお通じを促進する。
  6. 加工食品に添加される食物繊維も健康に有益であると思われる。
  7. 食物繊維(水溶性と不溶性のトータル)の推奨摂取量(RDA)は、19~50才の男性では38gおよび女性では25gである。 ただし、この推奨摂取量が健康な人向けのものである点に留意が必要だ。一部の慢性疾患を抱えている人には、この推奨摂取量は適さない。

レビューの要約

レビューの最後の "Summary" の部分に相当します。
  1. スタチン(コレステロール低下薬)による単独療法を補うため、あるいはスタチンの使用量を減らす(副作用が減る)ために食物繊維を利用できる。
  2. 自然の食品に含まれる食物繊維は水溶性も不溶性も血中脂質の改善に役立つことが期待される。 食物繊維はカロリー・ゼロなので食生活に健康的に取り入れられる。
  3. 全粒タンパク食品(*)・果物・野菜には食物繊維が豊富なので、アテローム性動脈硬化や心血管疾患などの病気を予防するための手段として魅力的である。
    (*) "whole grain protein food" を訳したもの。 "protein food" という言葉がこの箇所にしか登場しないので、"whole grain" と "protein food" の間にカンマが抜けているわけでもないと思います。 「全粒タンパク食品」って大豆のことでしょうか? 「大豆(soy)」という言葉はこのレビューに登場します。