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老化が脳に及ぼす悪影響を食物繊維が救う

(2018年9月) "Frontiers in Immunology" に掲載されたイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究によると、水溶性の食物繊維が腸内細菌を介して老化が脳に及ぼす悪影響を緩和してくれる可能性があります。出典: Dietary fiber reduces brain inflammation during aging

研究の方法

若いマウスと年老いたマウスに食物繊維を少し(セルロースを1%)しか含まないエサまたは食物繊維をたくさん(セルロース1%+イヌリン5%)含むエサを4週間にわたり与えました。 そして、マウスの血液・腸・脳などを調べました。

結果

プレスリリースの内容をまとめると次のようになります:
  1. 食物繊維が少ないエサを与えると、年老いたマウスでのみ腸に炎症が生じた。 若いマウスでは生じなかった。
  2. 食物繊維が多いエサを与えたマウスでは、年齢にかかわりなく、酪酸塩を始めとする短鎖脂肪酸(SCFA)の血中濃度が増加した。
  3. 食物繊維が多いエサを与えられた高齢マウスは、腸の炎症がとても少なかった。
  4. 高齢マウスに食物繊維が多いエサを与えた場合には、炎症が生じたミクログリア(後述)による「損傷を引き起こす化学物質」(1)の生産を(食物繊維から腸内細菌が作り出した)酪酸塩(2)が阻止した。

(1) 「損傷を引き起こす化学物質」とは例えば、炎症性サイトカインの一種であるインターロイキン-1β(IL-1β)など。 IL-1βはアルツハイマー病に関与していると考えられている。

(2) 酪酸塩(酪酸ナトリウムの形態で投与)にミクログリアに対する抗炎症作用や記憶力改善の効果のあることがマウス実験で示されている。 酪酸ナトリウムは臭気があるのでヒトが口にするのは躊躇われる。

解説

哺乳類が年をとると、脳内に存在する免疫細胞「ミクログリア」が慢性的に炎症を起こした状態となります。 こうした状態となったミクログリアは、認知機能や運動機能を損なう化学物質を生産します。 ミクログリアの慢性炎症は加齢に伴って記憶力などの脳機能が低下する理由の1つです。

今回の研究によると、加齢によるミクログリアの炎症に起因する脳機能の低下を水溶性の食物繊維(果物や野菜に豊富)を食べることによって緩和できるかもしれません。 今回の研究は動物実験ですが、研究者によると、今回の結果がヒトにも当てはまる可能性は十分にあります。

コメント

研究者は次のように述べています:
「高齢者の食物繊維摂取量は推奨摂取量の40%にも達していません。 食物繊維の摂取量が足りていないと、脳の健康や炎症全般など思わぬ方面に悪影響が生じかねません」