食物繊維の摂取量と子宮内膜ガンのリスクの関係は食物繊維の種類により異なる? (メタ分析)

(2018年7月) 食物繊維の摂取量と子宮内膜ガンのリスクの関係を調べたメタ分析が "Nutrients" 誌に掲載されています。

メタ分析の方法

食物繊維の摂取量と子宮内膜ガンのリスクの関係を調べた15の研究(2018年3月末までに発表されたもの)のデータを分析しました。 15の研究のうちコホート研究は3つで、残りはすべてケース・コントロール研究です。

結果

食物繊維の総摂取量

食物繊維(種類は問わない)の摂取量と子宮内膜ガンのリスクとの関係を調べた11のケース・コントロール研究のデータを分析したところ、食物繊維の摂取量が多いと子宮内膜ガンのリスクが24%低いという結果でした。

3つのコホート研究(*)のデータを分析すると、食物繊維の摂取量が多いと子宮内膜ガンのリスクが22%高いという矛盾する結果となりました。 ただし、コホート研究のほうの結果は95%CIの値が1.00~1.49と統計学的な有意性が微妙(†)でした。

(*) ケース・コントロール研究よりもコホート研究のほうが信頼性が高いとされます。

(†) リスクの増減を扱う場合の95%CI値は1.00をまたぐと統計学的な有意性に欠けるとみなされます。

リスクの増減を扱う場合の95%CI値は、 例えば1.01~1.28のように範囲が1.00を超える領域に収まっている(リスク増加の場合)か、あるいは0.81~0.99のように範囲が1.00未満の領域に収まって(リスク低下の場合)いなくては統計学的に有意であると言えません。

1.00~1.49は1.00をまたいではいないものの1.00を踏んでしまっているので統計学的な有意性が微妙ということになります。

穀類の食物繊維

穀類で摂る食物繊維の量と子宮内膜ガンのリスクとの関係を調べた6つの研究(コホート研究3つとケース・コントロール研究3つ)のデータを分析したところ、両者のあいだに関係が見られませんでした。

3つのコホート研究のデータだけを分析すると、穀類で摂る食物繊維の量が多い場合に子宮内膜ガンになるリスクが26%高いという結果でした。

3つのケース・コントロール研究のデータでは、穀類で摂る食物繊維の量と子宮内膜ガンのリスクとの間に関係が見られませんでした。

穀類で摂る食物繊維の量と子宮内膜ガンのリスクの関係に関して、研究グループは次のように述べています:
「普通の食生活において穀類の食物繊維だけを摂ることはない。 穀類の食物繊維の摂取量が多いということは、糖質の摂取量も多いということである。 糖質の摂取量が多い状態が長期間にわたると肥満のリスクひいては子宮内膜ガンのリスクが増加する」

野菜の食物繊維

野菜で摂る食物繊維の量と子宮内膜ガンのリスクとの関係を調べた5つの研究(コホート研究2つとケース・コントロール研究3つ)のデータを分析したところ、両者のあいだに関係が見られませんでした。

3つのケース・コントロール研究のデータだけを分析すると、野菜で摂る食物繊維の量が多い場合に子宮内膜ガンになるリスクが26%低いという結果でした。

2つのコホート研究のデータでは、穀類で摂る食物繊維の量と子宮内膜ガンのリスクとの間に関係が見られませんでした。

まとめ

今回のメタ分析は不明瞭な結果でした。 子宮内膜ガンの種類や腸内細菌(腸内で食物繊維を処理する)の種類構成にまで踏み込んで調べれば、食物繊維の摂取量と子宮内膜ガンのリスクの関係がもっと明瞭になるかもしれません。