食物繊維が肺疾患のリスク低下にも有効?

(2016年1月) 糖尿病や心臓病のリスク低下に有効であるとされる食物繊維ですが、"Annals of the American Thoracic Society" に掲載されたネブラスカ大学医療センターの研究によると、食物繊維は慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺疾患のリスク低下にも効果があるかもしれません。出典: Fiber-Rich Diet May Reduce Lung Disease

研究の方法

40~79才の男女 1,921人のデータを食物繊維摂取量に応じて4つのグループに分けて、肺疾患のリスクを比較しました。

データは聞き取り調査と健康診断により入手しました。 食物繊維の摂取量は果物・野菜・豆類・全粒穀物の摂取量から割り出しました(*)
(*) 肺の健康のために食物繊維の摂取量を増やすには果物・野菜・豆類・全粒穀物の摂取量を増やせば良いというわけですね。
結果
主な結果は次の通りです:
  • 食物繊維摂取量が最少のグループ(*)では肺機能が正常な人の割合が50.1%だったのに対して、食物繊維摂取量が最多のグループ(†)では68.3%だった。
  • 食物繊維摂取量が最少のグループでは29.8%に気道狭窄が見られたのに対して、食物繊維摂取量が最多のグループでは14.8%にしか気道狭窄が見られなかった。
  • 食物繊維摂取量が最多のグループは最少のグループに比べて、肺活量も優れていた。

(*) 4つのグループの中で人数が最も少なく360人。 食物繊維の摂取量は10.75g未満/日。

(†) 4つのグループの中で人数が最も多く571人。 食物繊維の摂取量は17.5g超/日。

この結果は、社会経済的状態(収入・職業・学歴など)・喫煙習慣・体重などの要因を考慮した後のものです。

食物繊維と肺疾患の関係
  • 複数の肺疾患に炎症が関与していますが、これまでの研究で食物繊維に炎症を低減する作用のあることが示されています。
  • 腸内細菌が食物繊維を用いて感染症のリスクを低下させたり、肺を保護する作用のある物質を放出したりしている可能性もあります。
留意点

この研究では運動量を考慮していません。 また、この研究は食物繊維と肺機能との関係を一時点で調べただけであり、一定期間にわたって調べたものではありません。

今後の研究で今回の結果が確認されるようであれば将来的には、食物繊維の摂取が推奨される理由の1つに「肺疾患の予防」が加わるかもしれません。