食物繊維を平素から十分に摂って腸内細菌を飼育しよう

(2018年1月) "British Journal of Nutrition" に掲載されたマッセー大学(ニュージーランド)の研究で、普段から食物繊維を摂り慣れていない人が食物繊維を摂る量を急に増やしても腸内に住む細菌たちの反応がイマイチ鈍いという結果になりました。

研究の方法

健康な被験者34人に普段の食物繊維摂取量を尋ねたのち、発酵性食物繊維の一種であるイヌリンまたはプラシーボ(モルトデキストリン)を、それぞれ3週間ずつ摂取してもらいました。
イヌリンの3週間とプラシーボの3週間のあいだには3週間の空白期間を設けて、一方の3週間の影響がもう一方の3週間に及ばないように取り計らいました。
そして、イヌリンの3週間とプラシーボの3週間それぞれの後に腸内細菌の種類構成や短鎖脂肪酸(*)の体内量を調べました。
(*) 腸内細菌が食物繊維をエサとして食べて作り出す物質。 「短鎖脂肪酸」の略称は「SCFA」。 「SCFA」は"Short Chain Fatty Acid" の頭字語。 SCFAは、血圧・食欲・腸の健康などに影響して炎症性疾患・糖尿病・心臓病などのリスクを引き下げる効果が期待されています。

結果

普段から食物繊維をあまり摂っていなかったグループでは、イヌリンの3週間によりビフィドバクテリウム属の菌(ビフィズス菌)が増加しただけでした。

普段から食物繊維を十分に摂っていたグループでは、イヌリンの3週間によりビフィドバクテリウム属の菌とフィーカリバクテリウム属の菌(*)が増えたうえに、コプロコッカス属・ドレア属・ルミノコッカス属の菌が減っていました。
(*) 食物繊維からSCFAの一種である酪酸を作り出すほか、クローン病・喘息・うつ病の患者や肥満者にはフィーカリバクテリウム属の菌が少ないというデータがあります。