健康的な食事パターンとガンで死亡するリスク(メタ分析)

(2018年10月) テヘラン医科学大学の研究グループが健康的な食事パターンとガンで死亡するリスクとの関係を調べたメタ分析の結果が "Nutrition and Cancer" 誌に掲載されています。
Alireza Milajerdi et al. "The Association of Dietary Quality Indices and Cancer Mortality: A Systematic Review and Meta-analysis of Cohort Studies"

研究の方法

各種の健康的な食事パターンに食生活がどれだけ近似しているかとガンで死亡するリスクとの関係を調べた27の前向き研究(2017年8月までに発表されたもの)のデータを分析しました。

結果

DQI(Diet Quality Index)・aMEDHEI-2010に食生活が近い場合にはガンで死亡するリスクが、それぞれ9%・19%・18%低いという結果でした。 この3つに関しては、メタ分析に用いられた研究間の差異(ヘテロジェネイティー)が皆無~僅かで、この結果はその意味において信頼性が高いと言えます。

食生活がDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)・AHEI(Alternative Healthy Eating Index)・HEI(healthy eating index)に近い場合にも5~18%のリスク低下でしたが(18%のリスク低下はHEI)、こちらに関してはヘテロジェネイティーの大きさが問題でした。

RFS(Recommended Food Score)・DDS(Dietary Diversity Score)・HEI-2005とガンで死亡するリスクとの間には関係が見られませんでした。

解説

27の研究それぞれすべてが9種類すべての食事パターンを調べたというわけではありません。 1つの研究で調査の対象となる食事パターンは、3つか4つぐらいではないでしょうか。

この記事は論文要旨に記載される情報のみに基づいている(論文全体は閲覧できない)ため、各食事パターンの結果がいくつの研究に基づくものなのかが不明です。 RFSやDDSなどは、1つや2つだけの研究のデータに基づいて「関係が見られなかった(リスクが下がっていなかった)」と言っているのかもしれません。

aMEDとHEI-2010

以下に、リスクの低下幅が大きかったaMEDとHEI-2010の概要を記載します。

aMED

aMED(Alternate Mediterranean diet)はメディテラネアン・ダイエットに基づく食事法です。 aMEDでは、次のような食生活が推奨されます:

  1. 野菜・豆類・果物・ナッツ類・全粒穀物・魚を積極的に食べる。
  2. 赤身肉や加工肉をあまり食べないようにする。
  3. 飽和脂肪の摂取量に対する不飽和脂肪の摂取量の割合が大きくなるように心がける。

HEI-2010

HEI-2010では、次のような食生活が推奨されます:
  1. 果物(ジュースでないのが望ましい)・野菜・豆類・全粒穀物・乳製品・タンパク質(なるべく植物性食品や魚介類で)・不飽和脂肪酸(一価および多価)を積極的に摂る。
  2. 精製穀物・ナトリウム・飽和脂肪酸・添加糖の摂取量を控えめに摂る。
HEI-2010はHEIの 2010年度版です。 HEI(healthy eating index)は 1995年に健康的な食生活のモデルとして米国で考案された食事パターンです。 HEIの 2005年度版がHEI-2005です。 最新のHEIは 2015年度版(HEI-2015)です。