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炎症を抑える食生活に骨折を予防する効果?

(2017年10月) "Osteoporosis International" 誌に掲載されたサウス・カロライナ大学などの研究によると、女性に限り炎症を抑える食生活が骨折の予防に役立つ可能性があります。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症が持続する慢性的な炎症は体にとって有害です。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓病・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

食生活の炎症度と健康

食生活の炎症度とは、普段の食事に含まれ炎症に影響する各種成分がトータルで炎症を促進するか、それとも抑制するかということです。 サウス・カロライナ大学の研究では、食生活の炎症度を判定するのに食事炎症指数(DII)という尺度が用いられます。

これまでの研究では、DIIスコアが高い(炎症を促進するタイプの食生活を送っている)人は大腸ガン・乳ガン・膀胱ガン・胃ガン・喉咽頭ガン・腎臓ガン・前立腺ガン・動脈硬化・心血管疾患(心臓病や脳卒中)・心血管疾患による死亡・早死に・虚弱・肥満・骨折・抑鬱・精神的苦悩・歯牙喪失のリスクが高いことが示されています。

研究の方法

北米に住む男女 3,648人(平均年齢61才。男性 1,577人)を対象に食生活に関するアンケート調査を実施してDIIスコアを算出したのち、骨折の発生状況を8年間にわたり追跡調査しました。

そして、DIIスコアに応じてデータを5つのグループに分けて、骨折のリスクに影響する様々な要因を考慮しつつ、グループ間で骨折のリスクを男女別に比較しました。

結果

追跡期間中に15%超にあたる560人が骨折しました。

女性

DIIスコアが最も高いグループはDIIスコアが最も低いグループに比べて、骨折するリスクが46%高くなっていました。

男性

DIIスコアと骨折リスクの間に統計学的に有意な関係が見られませんでした。

類似研究

  • 上記の研究が発表された翌日に "European Journal of Clinical Nutrition" に発表された研究では、米国に住む男女1万8千人超(半数が男性)のデータを分析して、DIIスコアが高い人は骨密度が低く(特に手首を)骨折することが多いという結果になっています。 こちらの結果は女性に限ったものではありません。 こちらの研究にも、上記の研究に参加したサウス・カロライナ大学の研究者が参加しています。

  • "Journal of Bone and Mineral Research"(2017年)に掲載されたオハイオ州立大学などの研究でも、50~79才(平均年齢63才)の女性1万人超のDIIスコアを調べたのち6年間にわたる追跡調査を行って、DIIスコアが高い人は骨密度が低下しやすいという結果になっています。 また、63才未満の白人に限ると股関節骨折のリスクが50%ほど高くなっていましたが、データ全体ではDIIスコアが高いグループのほうがむしろ骨折のリスクが低めでした。

    DIIスコアが高いグループのほうが骨折のリスクが低かったのは、DIIスコアが低いグループのほうが身体活動量が多かった(それゆえに転倒のリスクが高かった)からかもしれません。