食生活の炎症度が低い乳ガン患者は再発リスクや死亡リスクが低い

(2018年8月) "Nutrients" 誌に掲載された漢陽大学校(韓国の研究で、炎症を抑えるタイプの食生活を送っている乳ガン患者はガンが再発するリスクや死亡リスクが低いという結果になりました。

研究の方法

ステージ0~3の乳ガンの手術を受けた女性511人(平均年齢52才。ガンと診断されてから平均5.4ヶ月間が経過)を対象に、アンケートで食生活を調べて食事炎症指数(DII)のスコアを割り出し、その後213ヶ月間にわたり予後を追跡調査しました。

DIIスコアは、食生活の炎症度が高いと高くなり、食生活の炎症度が低いと低くなります。

結果

追跡期間中に乳ガンが再発したのは88人、死亡したのは44人でした。 無病生存期間は平均84ヶ月、生存期間は平均69ヶ月でした。

DIIスコアが最高(+2.4)のグループは最低のグループ(-2.37)に比べて、乳ガンが再発するリスクが2.3倍高く、死亡リスク(死因は問わない)が3.0倍高いという結果でした。
95%CIのレンジが広いのが目に付きました(再発リスクは1.17~4.71、死亡リスクは1.08~8.83)。 データの量が少ないと95%CIのレンジが広くなります。

患者のタイプ別の結果

  1. 50才を境目としてデータを2つに分けて分析すると、50才未満の場合にDIIスコアが最高グループは最低のグループに比べて再発リスクが4.7倍に増加していた(95%CI:1.6~13.6)。 50才以上ではDIIスコアと再発リスクの間に関係が見られなかった。
  2. 閉経前と閉経後に分けた分析でも同様に、閉経前の女性でのみDIIスコアが低いと再発リスクが低いという関係が見られた。
  3. 体重別では、BMI値が25kg/m以上の場合にのみ、DIIスコアが高いと再発リスクが高かった(リスクが8.5倍に増加。95%CIは1.4~50.2)

  4. 他にも、HR+の患者・腫瘍のサイズが2cmを超える患者・リンパ節への転移が見られる患者でDIIスコアが高いと再発リスクが高いという関係が見られた(リスク増加幅は2.4倍・3.6倍・5.3倍)。

    HR-の患者・腫瘍サイズが2cm以下の患者・リンパ節に転移していない患者ではDIIスコアと再発リスクとの間に関係が見られなかった。
若い患者・太っている患者・乳ガンのステージが進んでいる患者は特に、食生活の炎症度に気を付けると良さそうです。