炎症を抑える食生活×運動習慣=死亡リスクが大幅に低下

(2018年2月) "Physician and Sportsmedicine" 誌に掲載されたミシシッピー大学などの研究によると、炎症を抑える食生活と運動習慣を組み合わせるのが死亡リスクの軽減に有効かもしれません。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症が持続する慢性的な炎症は体にとって有害です。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓病・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

食生活の炎症度と健康

食生活の炎症度とは、普段の食事に含まれ炎症に影響する各種成分がトータルで炎症を促進するか、それとも抑制するかということです。 サウス・カロライナ大学の研究では、食生活の炎症度を判定するのに食事炎症指数(DII)という尺度が用いられます。

これまでの研究では、DIIスコアが高い(炎症を促進するタイプの食生活を送っている)人は大腸ガン・乳ガン・膀胱ガン・胃ガン・喉咽頭ガン・腎臓ガン・前立腺ガン・動脈硬化・心血管疾患(心臓病や脳卒中)・心血管疾患による死亡・虚弱・肥満・骨折・抑鬱・精神的苦悩・歯牙喪失のリスクや総死亡リスクが高いことが示されています。

研究の方法

米国に住む20~85才の男女1万人超を対象に、食生活と運動習慣をアンケート調査などで調べたのち9.6年間(中央値)にわたり生存状況を追跡調査しました。

結果

DIIスコア

DIIスコアが低い(抗炎症効果が強い食品をよく食べている)グループはスコアが高いグループに比べて、総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)が8%低下していました。

運動習慣

運動量が十分であるグループは運動不足のグループに比べて、総死亡リスクが3%低下していました。

DIIスコアと運動習慣

DIIスコアが低く運動量(アンケート調査に基づく)が十分なグループは、DIIスコアが高いうえに運動不足のグループに比べて、総死亡リスクが39%低下していました。

加速度計という計器を7日間にわたり装着することで客観的に計測した運動量に基づいて分析すると65%の総死亡リスク低下でした。