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薄めた漂白剤で肌が若返り、傷も治りやすくなる(1/2ページ)

(2013年11月) "Journal of Clinical Investigation" に掲載されたスタンフォード大学の研究(マウス実験)によると、漂白剤を薄めたものが皮膚の若返りや治癒に有効である可能性があります。

今回の研究において、漂白剤の若返り効果はマウス実験で確認されただけですが、ヒトでも同様に有効であることが示されれば、どこの家庭にでもある普通の漂白剤が、過度の日焼けや皮膚の老化に対して有効であるということになります。

研究の概要
漂白剤を薄めたものは数十年前から中~重度の湿疹の治療に用いられてきましたが、漂白剤がどのように作用しているのかは不明でした。 薄めた漂白剤は、皮膚についた細菌やウイルスを十分に殺菌するほど強力ではないのです。
以下の5段落は難しい話が続きます。 実用的(?)な話は次のページ
漂白剤

そこで研究グループは、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めたものに炎症を抑える作用があり、そのために湿疹に対して有効なのではないかと考えました。 炎症はダメージを受けた皮膚を感染症から守るうえで大切な役割を果たしますが、過度の炎症は体にとっても有害となるのです。

NF-kB

皮膚の老化・炎症・放射性皮膚障害(ガンの放射線治療の副作用)において重要な役割を果たしている分子に、NF-kB(nuclear factor kappa-light-chain-enhancer of activated B cell)というものがあります。 NF-kB は、活性化していないときには細胞質の中に隔離されていますが、信号伝達分子によって活性化されると、細胞核に入り込んで DNA と結合し、遺伝子の発現を左右します。

実験

研究グループは、この NF-kB が薄めた漂白剤の効果に関与しているのではないかと考え、ヒトの皮膚細胞(角質細胞、ケラチン細胞)を、0.005%の濃度に薄めた漂白剤に1時間漬け込んだ後に、NF-kB を活性化させる信号伝達分子(の液体)で処理してみました。

するとどうでしょう、漂白剤で処理した皮膚細胞では、信号伝達分子により活性化した NF-kB により発現するはずの(炎症の発生に関与する)2種類の遺伝子が発現しなかったのです。 ただし、この漂白剤の効果は24時間(あるいはもっと短時間)で消滅してしまいます。 薄めた漂白剤に1時間漬け込んでから24時間後には、NF-kB は再び、2種類の遺伝子を発現させる能力を回復していました。

解説

研究者によると、漂白剤は、NF-kB が細胞核の中に入り込むのに必要とする(NF-kB が備えている?)活性化物質を酸化させて阻害することで、NF-kB を遮断します。 このことは、活性化物質を改造して酸化に対する耐性を持たせたときに(漂白剤によっても)NF-kB の遺伝子への作用が失われなかったことで確認されました。