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直火焼きの肉をよく食べる乳ガン患者は生存率が低い?

(2017年1月) "Journal of the National Cancer Institute" に掲載された研究によると、乳ガンを患っている女性はバーベキューや焼き網など直火で焼いた肉をあまり食べないようにするのが良いのかもしれません。

肉を高熱で調理したり燻製(くんせい)にしたりすると多環芳香族炭化水素(PAH)などの発ガン性物質が発生します。 高熱で加熱調理した肉を頻繁に食べていると乳ガンになるリスクが増加するというデータが存在しますが、今回の研究では、高熱で加熱調理した肉と死亡リスクとの関係を調べました。

研究の方法

米国に住む乳ガン患者 1,508人に、それまでの人生においてバーベキュー・焼き網を用いた焼肉・燻製肉(以下、この3つを併せて「焼肉」という)を食べてきた頻度について尋ね、それから5年後に過去5年間に関して同じことを再び尋ねました。

そして中央値で17.6年間にわたり、患者たちの生存状況を追跡調査しました。
結果
  • 追跡期間中に亡くなったのは597人。 そのうち死因が乳ガンだったのは237人だった。
  • 乳ガンと診断される前に焼肉をよく食べていたグループは、焼肉を食べることが少なかったグループに比べて、総死亡リスクが23%高かった。
  • 乳ガンと診断された後にも焼肉をよく食べていたグループでは、この数字は31%だったが、統計学的な有意性に問題があった(95% CI = 0.96~1.78)。
  • 燻製の鶏肉や魚(*)を診断前や診断後に食べていたグループは、乳ガンで死亡するリスクが45%低かった。

(*) 赤身肉が健康に良くないとする研究が多数存在しますが、鶏肉は赤身肉ではありません。 そういう理由で赤身肉を除く肉類の摂取量と死亡リスクの関係を調べたのでしょう。 魚も健康的な食品だとみなされています。

燻製の鶏肉や魚に限った数字なのは多分、今回の研究で煮物や刺身の摂取量を調べていないからでしょう。 鶏肉や魚を燻製にして食べるのが健康に良いとは思えません。 燻製にした肉だけでなく魚からも1kgあたり200μgのPAHが検出されたという報告もあります。
PAHの発生を抑制する方法

今回の結果からすると、乳ガンと診断された後に焼肉を食べても生存率にあまり影響はなさそうですが、焼肉のPAHが心配な場合には以下を実行すると良いかもしれません。

ローズマリー

ローズマリーの成分であるロスマリン酸や、カルノソール、カルノシン酸に、PAHなどの発ガン性物質の発生を抑止する効果が期待されています。

ローズマリーのエキスに浸してから肉を焼くと発ガン性物質の発生量が減ったという研究や、高濃度のローズマリーによって発ガン性物質が90%減少するという結果になった研究があります。

ビール
バーベキューに使う肉を焼く前にビールに漬けておくと、肉を焼いたときにPAHが作られにくくなります。 ポルトガルで行なわれた実験では、肉を焼く前に黒ビールに漬けておくことで8種類のPAHの発生量が半分以下になりました。