腸内細菌バランスの乱れが糖尿病などの一因に?

(2016年7月) "Nature" 誌に掲載されたコペンハーゲン大学などの研究により、腸内細菌のバランスの乱れがインスリン抵抗性を引き起こすことが明らかになりました。

インスリン抵抗性とはインスリンが効きにくくなった状態のことで、2型糖尿病の兆候であるだけでなく、高血圧やアテローム性動脈硬化による心血管疾患の前触れでもあります。

研究の方法

糖尿病患者75人と健常者277人を対象に、血液検査と腸内細菌の検査を実施しました。

結果
インスリン抵抗性がある人では、腸内細菌叢の構成と機能に特有の変化が生じており、それに伴って分岐鎖アミノ酸(BCAA)の一種の血中濃度が高くなっていました。 BCAAの血中濃度が増えていた原因(*)は主として、プレボテラ・コプリ菌(Prevotella copri)とバクテロイデス・ブルガトゥス菌(Bacteroides vulgatus)という2種類の腸内細菌でした。
(*) 腸内細菌がBCAAを生合成した。
マウス実験で確認

そして、「腸内細菌叢の変化 ⇒ BCAAの増加 ⇒ インスリン抵抗性」という流れで正しいのかどうかを調べるため、マウスにプレボテラ・コプリ菌を3週間にわたって投与するという実験を行ったところ、プレボテラ・コプリ菌の投与によってBCAAが増加しインスリン抵抗性も増加しました。

アドバイス
研究者は次のように述べています:

「大半の肥満者ではインスリン抵抗性が生じていますが、大部分のケースでは本人にその自覚がありません」

「カロリーが少ない食品や野菜を積極的に食べるようにし、動物性の脂肪を多く含む食品を食べる量を減らせば、腸内細菌のバランスが正常な状態に戻りやすくなります。 そうして腸内細菌が正常になればインスリン感受性も改善されることでしょう」