赤身肉の摂取量が多いと憩室炎になるリスクが増加 (男性)

(2017年1月) "Gut" 誌に掲載されたハーバード大学の研究で、赤身肉の摂取量が多いと憩室炎になるリスクが増加するという結果になりました。出典: Meat intake and risk of diverticulitis among men

憩室炎について

憩室炎とは大腸の一部である憩室に生じる炎症のことです。 比較的一般的な病気ですが、重症の場合は腸壁に穴があいたり膿瘍ができたりします。 特に若い人において、憩室炎の発生件数が近年増加中です。

これまでの研究により、喫煙・NSAID(*)の服用・運動不足・食物繊維の不足・肥満により憩室炎のリスクが増加することが示されています。
(*) 非ステロイド性抗炎症薬。 解熱鎮痛剤。 市販薬の成分としても用いられている。
研究の方法
40~75才の4万6千人超を対象に、過去1年間における赤身肉・鶏肉・魚肉の摂取頻度(*)を4年ごとに尋ね、憩室炎の発症リスクとの関係を調べました。
(*) 「一ヶ月あたり1回未満」から「1日に6食分以上」までの9段階。
結果
26年間の追跡期間うちに764人が憩室炎になりました。 次の2点を考慮した上でなお、赤身肉の摂取量が多いと憩室炎になるリスクが増加していました:
  • 赤身肉の摂取量が多い人はNSAIDなどの解熱鎮痛剤を使用することが多く、喫煙習慣があり、運動量が少なく、食物繊維の摂取量も少ない傾向にあった。
  • 鶏肉や魚肉を食べることが多い人は、運動量が多く、アスピリンを服用することが多く、喫煙をしない傾向にあった。
赤身肉の摂取量が最も少ないグループに比べて最も多いグループは、憩室炎になるリスクが58%高くなっていました。 1日のうちに摂取する赤身肉の量が1食分(「1食」の量は不明)増えるごとに、憩室炎のリスクが18%増加していました。 ただし、リスク増加のピークは6食/週で、赤身肉の摂取量がそれより多くてもリスクはそれ以上増えていませんでした。
赤身肉の摂取量と憩室炎のリスク
憩室炎のリスクとの関係が顕著だったのは、未加工の赤身肉(*)よりも加工された赤身肉(†)でした。

(*) 生の牛肉や豚肉をステーキやトンカツなどに調理して食べる。

(†) 牛肉や豚肉などを使ったソーセージやベーコンやコーンビーフやハムなど。
未加工の赤身肉の摂取量と憩室炎のリスク

研究チームの計算によると、未加工の赤身肉1食分/日の代わりに魚肉または鶏肉を食べるようにすると、憩室炎のリスクが20%下がります。

解説

研究チームによると、赤身肉の摂取量が多いと憩室炎のリスクが増加する理由は不明ですが、軽度の慢性炎症が関与している可能性が考えられます。 これまでの研究により、赤身肉の摂取量が多い人は炎症のマーカー(指標)であるC反応性タンパク(CRP)やフェリチンの血中濃度が高いことが示されています。

赤身肉の摂取が腸内細菌の種類構成に影響し、それが免疫系や腸の内壁に影響するために憩室炎のリスクが増加するという可能性も考えられます。

未加工の赤身肉でリスク増加が顕著だったのは、未加工の赤身肉のほうが調理時の加熱温度が高くなるからかもしれません。 高熱で調理された食事は、腸内細菌や炎症の程度に影響する可能性があります。参考記事: 加熱調理した食品でメタボが悪化

女性に今回の結果が当てはまるかどうかは不明です。