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ダイエットにおいて「水を飲む量を増やしなさい」という医師の指示は効果が無い?

(2017年3月) 肥満者のダイエットにおいて一般的に医師は水を毎日8杯飲むことを指示しますが、"JAMA Pediatrics" に掲載されたボストン子供病院の研究で、肥満の子供に水を飲む量を増やすように指示してもダイエットの役には立たないという結果になっています。

研究の方法

肥満を解消するために食生活の改善によりダイエット中の子供38人(平均年齢15才。女子27人)を2つのグループに分けて、一方のグループにのみ飲水量を8杯/日にまで増やすように指示しました。 もう一方のグループには飲水量について指示しませんでした。 子供たちのそれまでの飲水量は平均で約2杯/日でした。

結果

飲水量を増やしたグループは飲水量が平均で2.8杯/日増えていました(つまり5杯/日ほどの飲水量)。 もう一方のグループでは飲水量が1.2杯/日増えていました(3杯/日ほどの飲水量)。 したがって、両グループの飲水量の差は平均で1.6杯/日となります。

半年後の時点で、両グループのBMIの変化(体重の減り方)に全く差は見られませんでした(どちらのグループもBMIが0.1減っただけ)。

解説

飲水量を増やしたグループで8杯/日という飲水量を達成できていないわけですから、今回の結果は「水を毎日8杯飲んでもダイエットに効果が無い」というよりも「水を毎日8杯飲みなさいというアドバイスをしても、そのアドバイスを完全に実行できる人はほとんどいない」ということになります。

したがって、「水を毎日8杯飲む」というのを厳密に実行すれば体重が減りやすくなるという可能性も残っています。

水を飲む量を増やすと体重が減りやすいとする研究
水を毎日8杯飲めばダイエット効果を得られると確定しているわけでもありませんが、
  • "Obesity" 誌(2015年)に掲載されたバーミンガム大学の研究では、3ヶ月間のダイエット・プログラムにおいて朝・昼・夕の食事の30分前に水を500ml(合計で1.5L/日)飲むことで、飲水量を増やさないグループに比べて体重が3.5kg多く減る(0.8kgに対して4.3kg)という結果になっています。
  • "Obesity" 誌(2012年)に掲載されたバージニア工科大学の研究でも、成人の肥満者に3ヶ月間に及ぶカロリー制限を行うと同時に飲水量も増やしてもらった(朝・昼・夕の食事の30分前に水を500ml)ところ、飲水量を増やさずにカロリー制限だけを行ったグループに比べて体重が2kg多く減るという結果になっています。
飲水量を増やすのがダイエットにつながる理由
水を飲む量を増やすことでダイエット効果が得られるとすれば、その理由として考えられるのは次のようなものです:
  1. 食前に水を飲むとお腹がふくれるので、食事で食べる量が少なくなる。
  2. 食前に限らず水を飲む量を意識的に増やすことで、清涼飲料水や間食の摂取量がおのずと減る。
  3. 喉が渇いているのをお腹がすいているのと勘違いしていることがあり、そういうときに水を飲むと、不要なカロリーの摂取を回避できる。
  4. 冷たい水を飲むことで消費エネルギーが増えるのかもしれない。