犬と飼主の関係は、幼児と親の関係と同じ

ヒトは生来、他のヒトとの親密な関係を必要としますが、このような関係を必要とする生物はヒトだけではありません。 他の生物にも、同種の生物間での親密な関係を必要とするものが多く存在します。

人間に飼いならされた動物の場合、話は同種間での関係に留まらず、飼主との間にも深い関係が生まれることがあります。 オーストリアの大学の研究が、犬と飼主の結び付きを調べた結果、この結び付きがヒトの親子の結び付きに驚くほど似ていることが明らかになりました。

ヒトが犬を飼い馴らすようになってから1万5千年前ほどが経過しており、その結果、犬はヒトに飼われることに大変に順応し、多くのケースにおいて、飼い犬にとって飼主は、社会的なパートナーとして自分の同種(つまり、他の犬)たる地位を占めるようになっています。 今回の研究で、犬とその飼主の関係が、幼い子供とその両親の間に見られる深い関係に酷似していることが明らかになったのです。

このようなヒトと犬との結び付きの1つの側面が、いわゆる「安全基地効果」というものです。 安全基地効果とは、米国の心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した人間の愛着行動に関する概念であり、幼児が自らの環境と関わる際には、自分を世話をしてくれる人を安全基地として用いるというものです。

この研究では、操作することで食べ物が出てくる犬のおもちゃを用いました。 そして、30匹の飼い犬を対象に、飼主が不在の場合(absent owner)、おもちゃで遊ぶのを飼主が推奨した場合(encouraging owner)、おもちゃで遊ぶのに飼主が反応を示さない場合(silent owner)という3通りのケースを実験したところ、飼主がその場にいるときには、おもちゃで遊ぶことを推奨するかどうかに関わらず、飼い犬は、おもちゃを操作して食べ物を出そうとしましたが、飼主が不在の場合にはおもちゃに大した興味を示しませんでした。


実験に使われたおもちゃ (上の写真(下のグラフも)はHorn et al. による)

さらに、飼主の代わりに見慣れない人にその場に居てもらった場合にも、犬はおもちゃから食べ物を得ようとしませんでした。 つまり、犬がおもちゃを意欲的に操作するのは、飼主がその場にいるときだけだったのです。


犬がおもちゃで遊んだ平均時間

この結果から研究グループは、犬が自信を持った振る舞いをするうえで、飼主がその場にいることが重要であると結論付けました。

研究者は「成犬が飼主に対して、子供が親に対するように振舞うのには本当に驚きました」と述べています。
実験の内容がよくわかりませんでしたが、おもちゃが犬にとって未知の怖いものだけれど、飼主がいると安心なので、多少怖いおもちゃにも手を出すということなのでしょうか?