二重盲検法とは

二重盲検法とは、研究者自身にもどの被験者が本物の薬を受け取っているのかがわからないようにして患者に薬を渡す試験方法のことです。

例えば新薬の試験をするときに、研究者が被験者に接するときの態度や表情から、渡された薬が本物の新薬かそれともプラシーボなのかが被験者にバレてしまうのを避けるために行われます。

二重盲検法を用いることによって、被験者に問い詰められてプラシーボか薬かを白状してしまう、プラシーボ・グループの被験者の目を見て話せない、プラシーボ・グループの被験者と話をするときに申し訳なさそうな表情をしてしまうなどの悩みから研究者は解放されます。

二重盲検法は不要かも

そんな素敵な二重盲検法ですが、実は不要な苦労なのかもしれません。 ハーバード大学の2010年の研究に、患者がプラシーボだと知っていてもプラシーボ効果は発揮されるという結果になったものがあるのです。

この研究では、過敏性腸症候群(IBS)の患者80人を2つのグループに分け、一方のグループには何も投与せず、もう一方のグループには「これは偽物の薬です。 単なる砂糖の錠剤と同じで、何の薬効もありませんよ」と教えた上でプラシーボを与えました。 試験の期間は三週間、プラシーボは一日に二回服用してもらいました。

プラシーボ・グループの患者たちには「プラシーボ効果を信じる必要はありません」と指示し、さらに、プラシーボの錠剤の入ったボトルにはご丁寧に「プラシーボ」という表示までしておきました。

それでも試験の結果、プラシーボをプラシーボだと知って服用したグループにおいて、自己治癒作用により IBS の症状に有意な改善が見られたのです。 何も服用しなかったグループに比べて、プラシーボを服用したグループでは、症状が有意に緩和する率が二倍でした。 さらに、IBS の本物の薬を服用したグループと比べても、症状が改善した人の率の平均(平均?)が二倍だったのです。

ただし研究グループによると、この研究は、対象人数においても期間においても不十分なので、もっと大規模で長期的な試験を行う必要があります。