家庭での喫煙による空気汚染は大気汚染安全基準の3倍に相当する

(2014年10月) "Tobacco Control" 誌オンライン版に掲載されたアバディーン大学(英国)の研究によると、喫煙者と同じ家に住んでいる非喫煙者は、大気汚染の安全基準の3倍の酷さの空気汚染にさらされます。

空気が清浄な地域であっても、喫煙者と暮らしていると大気汚染が酷い北京やロンドンなどの都市に住んでいるのと同じことになるというのです。 二次喫煙(副流煙による受動喫煙)が呼吸器や心臓などの健康に広範な悪影響を与えることは、これまでの研究により既に十分確認されています。

研究の方法
スコットランドの喫煙世帯93軒および非喫煙世帯17軒でPM2.5(*)の空気中の濃度を測定したデータ(石炭や固形燃料を用いる家庭は除いた)を用いて、非喫煙者が二次喫煙により吸い込む汚染物質の量を推算しました。
(*) 二次喫煙の指標としても、戸外の大気汚染の場合と同様にPM2.5(直径が2.5ミクロン以下の微小粒子状物質)の濃度が用いられます。
結果

喫煙世帯ではPM2.5の濃度が非喫煙世帯の約10倍で、喫煙者と暮らしている非喫煙者は平均でWHO(世界保健機構)が定めるPM2.5年間暴露基準(10μg/立方メートル)の3倍の量のPM2.5にさらされていました。

他の結果は次のようなものです:
  • 同じ喫煙世帯の中でも、非喫煙者に二次喫煙の被害が及ばないように気をつけている世帯と、二次喫煙のことを気にしないヘビースモーカーのいる世帯との間では、非喫煙者の二次喫煙被害に平均で約10倍もの違いがあった。
  • 喫煙世帯の約25%では、PM2.5の24時間平均濃度が111μg/立方メートル(上記のWHOの基準の11倍)にも達していた。
  • 非喫煙世帯で80年間暮らした人(非喫煙者)が吸い込むPM2.5の量が80年間で0.76gであるのに対して、同じ人が喫煙世帯で暮らした場合に吸い込むPM2.5の量は5.82gとなる。
  • 喫煙世帯が非喫煙世帯になれば、非喫煙者が1日に被るPM2.5の量が70%減少する。 低年齢の子供や高齢者では(家で過ごす時間が長いから?)もっと減ると思われる。
コメント
研究者は次のように述べています:

「喫煙者はしばしば 『大気汚染に比べれば家庭内の二次喫煙の被害なんてしれたものさ』 という喫煙者ならではの見解を述べますが、今回の結果を見れば二次喫煙の被害が、英国の大部分の町の大気汚染とは比べ物にならないほどに酷いものであることが良く分かります。

ベランダで喫煙するとか、換気扇のそばで喫煙するというのも、近隣住民に迷惑となりますからタバコは吸わないのが良いでしょう」